タイ国内市場で新車販売が低迷していることから工業省は下取りプログラムの導入で新車販売に弾みをつけようとしているが、これに、自動車メーカーや業界関係者から「不十分」との声が上がっている。
11月28日にバンコクに隣接するノンタブリ県の大型展示施設「インパクト・チャレンジャー」で開幕した第41回バンコク・インターナショナル・モーター・エキスポの開会式においてエカナット工業相は、「自動車下取りプログラムが自動車マーケットにおける新しい需要を掘り起こしてくれるものと期待している。このプログラムについては現在検討を進めているところで、間もなく内容がまとまる見通し」と説明した。
国内新車市場が冷え込んでいるのは、家計債務が増大し続ける中で金融機関が不良債権が膨らむのを恐れ自動車ローンを貸し渋っていることなどが大きな要因とされている。
タイ工業連盟(FTI)は、今年の国内自動車生産見通しをこれまでの170万台から2021年以降最低となる150万台に下方修正。今年1~10月期はタイの自動車輸出も減少しており、これも国内新車販売の不振の一因となっている。