【エネルギー】タイ経済 中東の紅海・ホルムズ両海峡の混乱で燃料コスト急騰の懸念強まる
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中東情勢の緊迫化を受け、タイが燃料や物流コストの急激な上昇に見舞われるおそれが強まっている。米国とイランの対立が再燃したことで、紅海とアデン湾を結ぶ要衝バブエルマンデブ海峡が封鎖されかねないとの懸念が広がっているためだ。同海峡は「涙の門」とも呼ばれ、タイの貿易にとって欧州や中東を結ぶ重要な航路にあたる。
バブエルマンデブ海峡が封鎖されれば、貨物船はアフリカ大陸を迂回する長距離ルートを取らざるを得なくなり、輸送費や保険料が大幅に上昇する。タイはエネルギーの多くを中東からの輸入に頼っており、原油輸送のもう一つの要衝であるホルムズ海峡でも混乱が同時に起きれば、供給網が二重に寸断される深刻なリスクに直面する。
輸送コストの上昇や納期の遅れは、タイの製造業や輸出企業に直接的な打撃を与える。原材料や部品の調達が滞れば、生産計画の見直しを迫られる企業も出てくる。そして最終的には国内の消費者物価にも波及し、経済成長を下押しする要因となる。
政府と産業界は、エネルギーコストおよび物価上昇の抑制、そして電力や運輸に必要な燃料の確保という複合的な課題への対応を迫られている。輸送費や燃料価格の上昇は、タイの燃料調整費(Ft)を通じて家庭の電気料金にも反映されかねない。ある調査機関の試算では、原油高が長期化し、政府の補助余力が限られる場合、タイのインフレ率は3〜4.5%まで上昇し、経済成長を弱める可能性があるという。
