【経済】タイ中央銀行、米国の為替監視リストからの除外可能性を指摘

タイ中央銀行(BOT)が、米財務省の「為替監視リスト」から次回の審査でタイが除外される可能性が高いとの見方を示した。7月31日に開かれた記者会見で、BOTの法人関係担当副総裁を務めるチャヤワディ氏が明らかにした。
同氏によれば、米財務省は次回の審査で2025年7月から2026年6月までのタイの経済データを評価する。この期間中、タイは監視リストの認定基準を満たさない見込みで、次回の報告書では除外される可能性が高いという。同報告書は2026年末から2027年初めにかけて公表される見通しだ。「もしタイが次回の評価でいずれの基準にも該当しなければ、監視リストから除外される見通し」とチャヤワディ氏は話す。
米財務省の為替監視リストは、対米貿易黒字や経常黒字の規模、外貨介入の頻度などをもとに、為替操作の疑いがある国・地域を選定する仕組みであり、タイは近年、対米貿易黒字の拡大や中央銀行によるバーツ買い介入の実施などを理由にリストに含まれてきた経緯がある。
タイが監視リストから除外されれば、対米通商関係における不確実性が一つ和らぐことになる。日系企業にとっても、バーツ相場や輸出入コストの見通しを立てるうえで参考になる材料だ。特に対米輸出比率が高い自動車部品や電子機器関連の企業にとっては、為替政策をめぐる米側の圧力が和らぐかどうかは事業計画に直結する重要な論点となる。今後の米財務省の正式な発表内容に注目が集まる。
もっとも、監視リストからの除外は米国側の一方的な認定にとどまり、対米関税交渉そのものへの影響は別問題である点には注意が必要だ。それでも、為替操作国と見なされるリスクの下がることは、タイに進出する日系企業にとって心理的な安心材料になりそうだ。今後もBOTと米財務省双方の発表を継続的に確認していく必要がある。
