【エネルギー】GULF、アブダビ国営石油とLNG200万トン契約 2027年に供給開始
タイのエネルギー大手ガルフ・デベロップメント(GULF)は10月6日、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ国営石油会社(ADNOC)と、液化天然ガス(LNG)の複数年にわたる売買契約を結んだと発表した。購入量は約200万トンで、2027年から供給が始まる。
LNGとは、天然ガスを冷やして液体にしたもの。体積が約600分の1になるため、船で遠くまで運べる。タイでは発電の燃料の多くを天然ガスに頼っており、LNGの安定した確保は電気料金や工場の操業に直結する。
両社の契約は今回が2回目となる。最初の供給契約は2025年に結ばれた。今回契約したのはADNOCの販売部門、ADNOCトレーディングで、GULF側はLNGの調達や販売を担う子会社「GULFリソーシズ」の事業を強化する狙いがある。
GULFのサラット最高経営責任者(CEO)は、調達先を広げ、変化に強いLNGの組み合わせを作るという方針に沿った契約と説明する。この組み合わせを土台に、アジアでのLNG取引事業を伸ばしていく考えも示した。ADNOC側の幹部も、最初の契約を土台に関係を深め、アジアの顧客へ安定して燃料を届ける姿勢を強調している。
一方、今回の契約の背景には、国内ガス田の生産が減っていることがある。タイ湾の天然ガスは産出量が落ちており、不足分を輸入LNGで補う割合が年々高まっている。一方、中東情勢の緊張で原油やガスの価格は高止まりしている。タイ石油公社(PTT)の分析では、ドバイ原油の価格は10〜11月に1バレル95〜105ドルで推移する見通しだ。
調達先を複数に分け、長期契約で量を確保することは、価格の急変に備える有効な手段となる。民間企業がLNGを直接輸入する動きも広がっており、国営PTTに頼ってきた調達の形は変わりつつある。工場の電力コストを抑えたい日系企業にとっても、注目すべき動きと言える。
