【製造】工業団地の工場180〜190カ所が被災 損害額は18億バーツ規模

ワラウット工業相は6日、洪水による工業団地内の被害について、首相府で説明した。タイ工業団地公社(IEAT)の暫定集計では、団地内の工場180〜190カ所が被災し、損害額は17億〜18億バーツに上る見通しだ。水が引かず立ち入れない地域もあり、調査が進めば金額はさらに膨らむ可能性がある。
工業省が5日時点でまとめた全体像では、被災した事業所は55県で4523カ所に上る。内訳は工場316カ所、中小企業4113社、地域の小規模事業者94カ所で、損害額は合計21億バーツを超えた。件数では中小企業が約9割を占める。一方、集計の時点や方法が異なるため単純には比べられないが、金額では工業団地の被害が大きな比重を占めるとみられ、設備や在庫の価値が大きい大型工場に損害が集中しているようだ。
同相は工業省の危機管理センター(CMC)に、重複を除いた一元的なデータベースの整備を命じた。各県の工業事務所には、機械が全損した事業者など被害が特に重いところを早く洗い出し、名簿にするよう指示している。件数を数えるだけでなく、「誰が、どんな支援を必要としているか」を把握し、関係機関が個別に支える狙いだ。
金融面では、中小企業開発銀行(SME D Bank)が返済猶予を進めている。被災した顧客984件のうち311件は、元本と利息の支払いをすでに止めた。対象の元本は約9億9200万バーツ、猶予は最長12カ月だ。このほか134件を同行の支援につなぐ。
技術面では、工場局が水が引いた後の安全点検を支援する。ボイラー、配電盤、電気設備の確認が中心で、外部の専門家ネットワークも動員。浸水で産業廃棄物が流れ出す恐れもあり、環境への影響も監視する。
このほか工業省は、自動車メーカーと水没車の修理代の割引などを協議。2011年の大洪水では、アユタヤ県などの工業団地が長期間水没し、世界銀行の推計で損害・損失は1兆4000億バーツを超えた。今回の直接被害はこれよりはるかに小さい。ただ、自動車大手が部品不足で生産を止めたように、影響は供給網(サプライチェーン)を通じて、被害額の数字以上に広がっている。
