【商業】タイ、外国人旅行者から450バーツ徴収へ まず空路で年80億バーツ見込む

スラサク観光スポーツ相は、外国人旅行者から1人450バーツの「入国料」を徴収する方針を示した。入国料とは、観光客が入国する際に払う料金のこと。観光スポーツ省がオンラインで行った意見募集では、回答の80.5%が賛成したという。
意見募集は2026年8月24日〜9月28日に行われ、5954人が回答。徴収方法では、パスポート情報とひもづけて支払う方式を望む声が多かった。入国手続きの手間を増やさないためである。
導入はまず空路の旅行者に限り、陸路と海路は1年遅らせる。官報での公布から180日以内に仕組みを整え、2027年1〜3月の運用開始をめざす。収入は年約80億バーツを見込む。前年の外国人旅行者約3300万人の全員から集めれば約148億バーツになる計算で、80億バーツという見込みは、空路に限った段階の規模を前提にしているとみられる。
主な使い道は、旅行者向けの保険や医療費の補償だ。外国人旅行者の治療費が未払いのまま残り、国境付近などの公立病院の負担になっている問題を和らげる狙いがある。徴収の経費と保険料を差し引いた残りは、観光地の整備、自然資源の保護、安全対策に充て、国の予算に頼らずに賄う。同省は、世界の80カ国超が同様の仕組みを持つとしたうえで、国民の税負担を軽くする狙いもあると説明している。観光にかかる費用を、恩恵を受ける旅行者自身に負担してもらう「受益者負担」の考え方だ。
一方、足元の観光需要では、洪水の影響を懸念する声も出ている。ただ、タイ国政府観光庁(TAT)の総裁は、主要な観光地の被害は小さいとしている。欧州と米国の市場は通常どおり推移しており、中東からの旅行者は、当初28%減と見込んでいた落ち込みが6.5%減にとどまっている。年末には持ち直す見通しだ。なお、中国の国慶節(10月初めの大型連休)の旅行者は17〜18%増え、25万人を超えた。
