【物流】スワンナプーム空港の航空貨物混雑 商工会議所が3段階の解消策を政府に提言

タイ商工会議所(TCC)は5日、スワンナプーム空港での航空貨物の混雑を早く解消するよう、ピパット副首相兼運輸相に提言した。これを受け、副首相は運輸次官を議長とする作業部会の設置を指示。事務局は運輸・交通政策計画室が務め、関係機関をまとめて具体策づくりを急ぐ。
提言は「タイの航空貨物システムの効率向上」と題した報告書にまとめられ、短期・中期・長期の対策を示した。背景には、航空貨物が貿易に占める重みがある。2026年1〜7月の航空貨物による貿易額は約5兆5300億バーツで、うち輸出は約2兆4200億バーツと、輸出全体の約3分の1を占める。電子部品、農産物、食品など、速さと確実さが求められる物品が中心だ。
ところで、今回の混乱の原因は1つではない。倉庫の容量、人手、機材、保安検査、作業手順、機関同士の連携などの問題が重なっている。TCCは2025年10〜12月期から問題を追い、2026年6月に報告書の作成を決めた。9月下旬には、到着貨物が滞留して受け入れ制限(エンバーゴ)が出たが、TCCはこれを問題の始まりではなく、以前から潜んでいた「病巣」が表に出たものと説明する。
TCCが提言する対策は3段階だ。0〜6カ月の緊急策では、エックス線で中身を確認しにくい貨物の検査能力を高め、倉庫の面積や人員、機材を増やす。6〜24カ月の中期策では、既存倉庫の処理能力を引き上げ、安全基準を満たす速い検査手段を探るとともに、出発地で保安検査を済ませてから空港に運び込む仕組みを浸透させる。そして、2年を超える長期策では、第3貨物倉庫の開発を急ぐ。
一方、タイ空港公社(AOT)は、スワンナプーム空港の貨物倉庫事業について、25年間で約379億バーツの官民連携(PPP)契約を結び、2027年初めの運用開始を予定している。施設の拡張には時間がかかるため、それまでの期間を検査や作業手順の改善でしのげるかが課題になる。
