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【貿易】タイ・EU間のFTA交渉が最終段階に、米中依存を減らす貿易分散の切り札に

タイとEU(欧州連合)の間で進むFTA(自由貿易協定)の交渉が、最終段階に入った。タイ通商代表のウィラポン氏が、タイ経済紙『クルンテープ・トゥラキット』に第10回交渉の進展を明らかにした。現在は全体の状況を点検する「テイクストック」の段階にあり、残る論点、とりわけ市場開放の範囲を詰める作業を進めている。

同氏は、近隣国との競争が激しいため、交渉をできるだけ早くまとめる内部目標を掲げていると説明した。ただ速さだけを追うのではなく、交渉の質や国益とのバランスを保つ考えを強調した。

タイにとってEUは第3位の貿易相手で、輸出に占める割合は約7.7%。これに対し米国向けは20%を超える。米国の関税政策や米中対立が続く中、EUとのFTAは輸出先を分散し、特定の大国への依存を減らすための重要な手段と位置づけられている。

協定の狙いは、豚肉や鶏肉、ツナ缶といった従来の農産品・食品の輸出拡大に留まらない。再生可能エネルギーや投資促進、技術分野など、将来の成長産業に向けた市場の扉を開くことを目指す。タイ企業にとっては長期的な新しい事業機会につながると同氏は語った。

タイ・EU間のFTA交渉は2013年に始まったが、2014年の軍事クーデター後に中断し、2023年に再開した経緯がある。タイ政府はEUのほか、アラブ首長国連邦(UAE)との経済連携協定の交渉も急いでおり、タイ商業会議所も大型通商交渉の早期妥結を後押ししている。

協定が発効すれば、タイを生産拠点として欧州に輸出する日系メーカーにとっては、関税の引き下げで価格競争力が高まる可能性がある。一方で、原産地規則(どの国の製品とみなすかのルール)次第では、部品の調達先の見直しを迫られる場面も考えられる。交渉の最終的な中身と、妥結の時期を引き続き注視したい。

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