【食品】タイ工業省、ハラル食品の輸出強化へ 世界シェア2.1%からの巻き返し狙う

タイ工業省工業経済局(OIE)は、食品研究所(NFI)と組み、ハラル食品の輸出力を高める事業に乗り出した。ハラル食品とは、イスラム教の戒律に沿って原料や製法が管理された食品を指す。2027年までにタイを世界の食品輸出国トップ10に押し上げる目標の一環だ。
OIEのスパキット局長によると、事業は2026年度の予算で実施し、中小企業(SME)がハラル認証を取りやすくなるよう支援する。安全で健康的な商品を、各地域の消費者の好みに合わせて開発できるようにする狙いであり、認証の取得から試作、量産の準備までを一貫して後押しする。
タイは世界有数の食料生産国でありながら、ハラル食品の世界シェアは2.1%に留まる。多くの事業者で準備が整っていないことが原因というのが同局の見方だ。
支援の中心となるのは、食品研究所の試作工場(パイロットプラント)。ここで、研究室で作ったレシピを、工場で量産する前に中規模で試し作りする。スプレードライヤーやフリーズドライヤーといった乾燥・粉末化の設備、レトルト食品の製造設備、油の吸収を抑えた真空フライヤーなどが揃っており、冷凍食品やベーカリー、アイスクリームにも対応だ。
企業は高額な機械を自前で買わずに、テスト販売用の商品を作ることができる。製造条件の設定や品質管理も、タイ食品医薬品局(FDA)の基準に沿って詰められる。投資の失敗リスクと開発期間を大きく減らせる仕組みだ。
この取り組みは、2019〜2027年の食品加工産業開発計画の第1期に位置づけられる。健康食品や機能性食品、バイオ技術を使った食品なども「未来の食品」として育成していく。
世界のイスラム教徒向け市場は、人口の増加を背景に拡大が続くとの見方が支配的。タイに加工拠点を持つ日系食品企業にとっても、中東や東南アジアのイスラム圏へ販路を広げる足がかりとなり得る。
