【日系企業】日本の新興miibio、サトウキビ由来素材を半導体に タイに工場検討
タイ工業省のサトウキビ・砂糖委員会事務局(OCSB)と工業経済局(OIE)は、日本のバイオ系スタートアップ、miibio(ミーバイオ)のハヤミズ・ケンショウ最高経営責任者(CEO)らの訪問を受け、協力の進め方を話し合った。会合は工業省の事務次官室の会議室で開かれた。
協議の柱はバイオテクノロジー(生物の働きを利用する技術)だ。サトウキビやバイオマス(植物などの生物資源)から、付加価値の高いバイオ化学品をつくる。農産物を、バイオ化学や先端素材、さらには電子部品や半導体の産業へとつなげる構想である。
特に注目されるのは、サトウキビ由来のバイオ素材を、石油から作る素材の代わりに半導体の製造に使う取り組みだ。成功すれば、タイの砂糖産業を高付加価値の製品へ広げる道が開ける。砂糖や糖みつ(砂糖を精製した後に残る液)中心の利用から、一段上の製品づくりへ進む狙いがある。
双方は、タイ国内に商業生産の工場を建てる候補地の選び方についても意見を交わした。関連する規則や投資判断に影響する条件、タイと日本の協力と投資のあり方も議題となった。バイオ素材を使った半導体部品の生産投資が、今後タイで広がる可能性についても話し合った。
タイは世界有数の砂糖輸出国で、サトウキビの生産量も多い。政府は、農業資源をバイオ技術で高付加価値の製品に変える「BCG経済」(バイオ・循環型・グリーン経済)を重点政策に掲げる。BOIもバイオプラスチックやバイオ化学品の投資を後押ししている。
一方、半導体はタイ政府が誘致に力を入れる重点産業でもある。農業と先端産業を結ぶ今回の構想は、両方の政策目標に合う。
具体的な投資額や工場の建設時期は明らかにされていない。日本の新しい技術とタイの豊富な農業資源の組み合わせが、事業化に結びつくかが注目される。
