【運輸】バンコク都市鉄道の運賃上限を45バーツに 閣議承認 2027年から1年間

タイ政府は11月3日の閣議で、バンコク首都圏の都市鉄道運賃を抑える措置を承認した。運輸省の提案に基づくもので、初乗りにあたる乗車料金を従来の契約どおり17バーツ以下とし、1回の乗車の運賃は最大45バーツまでとする。路線を乗り継いでも乗車料金を二重に取らない。対象はバンコクと周辺県を走る全ての都市鉄道で、実施期間は2027年1月1日から12月31日までの1年間となる。

措置にかかる費用は総額58億700万バーツを見込む。内訳は、運行会社に支払う運賃の差額補填が57億8500万バーツ、利用者に払い戻す際の振込手数料が2200万バーツ。財源は2027年度予算のうち、緊急時に使う予備費から充てる。予算を申請し、補助金の支払いを管理する中心機関は、運輸省の交通運輸政策計画局(OTP)が担う。

実務は鉄道局や首都圏電車公団(MRTA)、タイ国鉄、バンコク都、クルンタイ銀行などが分担。10月21日に開かれた運賃政策の推進委員会の決定を受け、準備を急ぐ。

閣議は同時に、路線を持つMRTAとバンコク都に宿題も課した。措置の開始から6カ月間、実際の利用者数や運賃収入を集め、値下げによってどれだけ利用者が増えたかを分析する。結果は、運賃収入から国に戻す割合を適正にする交渉の材料に使う。

都市鉄道は複数の事業者が別々に運営しているため、路線をまたぐと運賃がかさむことが長年の課題だった。首都圏ではBTSスカイトレインや地下鉄MRT、空港連絡線、国鉄のレッドラインなどが走り、路線ごとに運賃の仕組みが異なる。上限が設けられれば、郊外から都心に通う会社員の負担は大きく軽くなる。従業員に通勤手当を支給する在タイ日系企業にとっても、コストの見直しにつながりそうだ。ただ、補填が税金で賄われる以上、1年後に措置を続けるかどうかが次の焦点となる。

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