【政治】タイのアヌティン首相、15年ぶりインドネシア公式訪問し協定4件に署名

アヌティン首相は2日間の日程でインドネシアを公式訪問し、プラボウォ大統領との会談を経て、観光やカーボン市場、経済協力に関する協定4件の交換に立ち会った。タイの首相によるインドネシア公式訪問は15年ぶりとなる。署名された協定には、タイ観光庁とインドネシアの旅行大手トラベロカ、航空会社トランスヌサとの間の観光振興に関するものや、タイ商業会議所とインドネシア商工会議所(カディン)によるカーボン市場・経済協力の枠組みが含まれる。
首相はまた、インドネシアのマスピオン銀行がカシコン銀行インドネシア法人へ改称する式典にも出席した。経済フォーラムでの演説でアヌティン氏は、両国が従来型の貿易関係にとどまらず、製造業や投資、技術分野での統合を進める必要があると訴えた。タイを製造拠点、インドネシアを巨大な消費市場と位置づけ、双方の強みを補完し合う関係を築く考えを示した。
プラボウォ大統領との会談では、食料安全保障や、タイの決済サービス「プロンプトペイ」とインドネシアの「QRIS」との連携によるデジタル決済分野での協力強化も提案。あわせて、電気自動車やデータセンターを支えるクリーンエネルギー分野での協力についても意見が交換された。両国は5年間の戦略的パートナーシップ・ロードマップも採択しており、防衛や人材育成分野を含む幅広い協力の枠組みが今後具体化していく見通しだ。また、両国の首脳は、経済連携にとどまらず、サイバー詐欺や人身売買といった越境犯罪への対策強化でも足並みをそろえる考えを示した。
タイは2028年のASEAN議長国就任を控えており、今回の訪問はその準備の一環としての意味合いも持つ。ASEAN域内での事業展開を検討する日系企業にとっても、タイとインドネシアの連携強化は、両国をまたぐサプライチェーン構築の後押しとなりうる動きである。
