【経済】タイ中央銀行、27年ぶりの大規模組織改編でノンバンク監督部門を新設

タイ中央銀行(BOT)が、1999年以来27年ぶりとなる大規模な組織改編に着手した。ウィタイ総裁が主導するもので、ノンバンク(銀行以外の金融事業者)への監督強化、消費者保護の拡充、決済システムの安定性向上を目的に、3つの専門部門を新設する。
現行の組織体制は1999年に設計されたもので、当時は商業銀行がタイの金融システムの中核を担っていた。しかし現在は、数百万人の消費者が小口融資や決済サービスをノンバンク事業者に依存するようになっており、金融構造の変化に組織体制を合わせる狙いがある。タイ語メディア「クルンテープ・トゥラキット」の報道によると、今回の改編は、ウィタイ総裁が中央銀行と実体経済との距離を縮めようとする姿勢の表れだという。
決済システムの安定を担う分野では、デジタル決済の重要性の高まりを受け、監督グループを2つ新設するとともに、決済システムの安定性を専門に統括する副総裁ポストも新たに設ける。
ウィタイ総裁は、GSB(政府貯蓄銀行)総裁時代から家計債務問題への熱心な取り組みで知られており、就任から9カ月の間に政策金利を1%まで引き下げて借入コストの軽減を進めたほか、中小企業(SME)向け支援策「SMEブースト」を導入し、外国資本や不動産取得に絡む現金取引への監視も強化してきた。
金融・決済サービス、あるいは消費者金融事業を展開する日系企業にとっては、ノンバンク監督の枠組みが強化されることで、コンプライアンス対応の見直しが必要になる可能性がある。とりわけ、決済分野に参入する企業や、消費者向け与信を手がける事業者は、新設される監督部門の方針を早期に把握しておくことが望ましい。既存の商業銀行監督を含めた全体の規制体系がどう再編されるか、具体的な組織図や監督範囲が明らかになり次第、詳細を確認する必要がありそうだ。
