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【経済】タイの対米輸出8品目522億ドル分に米国の原産地検証の壁

タイの主要輸出8品目が、米国による原産地検証の強化で監視対象となっている。対米輸出額は年間522億3000万ドル(約8兆3000億円)にのぼり、タイの対米輸出全体の72.33%を占める。発端は、米ホワイトハウス通商製造業政策局が8月13日に公表した報告書。この報告書は、中国企業による対米関税逃れの「迂回輸出」の実態を分析したものだ。

ランシット大学のアート准教授によれば、電子機器・電気機械や自動車・同部品や鉄鋼など8つの品目群がこの迂回輸出に引っかかったという。共通点は、2021年から2025年にかけ設備稼働率が下がる一方で対米輸出が伸び続けている点だ。自動車・同部品の稼働率は69.45%から52.79%へと16.66ポイントも低下。電子機器・電気機械も65.87%から58.99%へ下がった。稼働率の低下と輸出増加が同時に進んでいることから、中国産部材を軽微な加工だけで再輸出している「疑い」が浮上したようだ。

さらに、背景には対中貿易赤字の拡大もある。タイの対中輸入額は2016年の410億4400万ドルから2025年に1085億5700万ドルへ164.5%増加。輸出の伸び率67.1%を大きく上回った。前出の報告書ではタイをブラジルやインドネシアなどと並ぶ「ティア2」(中国関連の調達網との結び付きが強い国の区分)に分類している。ただ、原産地を証明できれば輸出は続けられる見込みだ。

タイ商務省を率いるスパシー副首相兼商務相は8月末に訪米し、ART(米タイ相互貿易協定)交渉に臨む。監視強化は交渉の行方に関わらず進む見通しで、タイに拠点を置く日系企業にも無関係ではない。

なお、ピサンワニット准教授は、電気使用量や雇用者数を点検する仕組みや、AIで原材料から完成品まで追う新制度など6項目を提言。現地ベンダーの証明手続きの遅れが出荷停止につながりかねず、原産地証明の総点検が急務としている。

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