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【エネルギー】タイ政府、緊急勅令の4000億バーツでエネルギー転換計画を本格始動へ

タイ政府は、2026年5月に署名した緊急勅令に基づき、最大4000億バーツを調達してエネルギー分野の立て直しに乗り出す。野党議員133人が違憲だと憲法裁判所に訴えていたが、7月9日に9対0の全会一致で緊急借入自体は合憲、7対2で長期の脱炭素投資への活用も合憲との判断が下り、法的な不透明感は解消された。

資金は2つに分けて使われる。2000億バーツは、月200単位までの家庭向け電気料金補助や、中小企業の負担軽減など足元の対策にあてる。残りの2000億バーツは、再生可能エネルギーや電気自動車(EV)充電インフラ、省エネ設備、人材育成といったエネルギー転換のための中長期投資に振り向ける。タイは原油の9割以上を輸入に頼り、発電の約7割弱を天然ガスに依存するため、中東情勢の緊張が続くたびに物価や成長率が大きな打撃を受けてきた。実際、5月にはインフレ率が38カ月ぶりの高水準となる3.89%まで上昇している。

具体的な目標としては、2037年までに発電量に占める再生可能エネルギーの比率を51%に高めることや、2030年までに国内の自動車生産の30%をEVにすることなどが掲げられている。老朽化した石炭・ガス火力の8ギガワット分を段階的に廃止し、風力・太陽光・水力を中心に約50ギガワットの再生エネルギー設備を新設する計画だ。また、太陽光や風力の出力の波を吸収するため、14ギガワット分の蓄電池設備の導入も進める。

日系企業にとっては、2026年4月に始まった「グリーン電力料金(UGT2)」制度を通じ、再生可能エネルギーを証明付きで直接購入できる仕組みが整いつつある点が注目される。BOIも太陽光・風力事業に最長8年の法人税免除を用意している。

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