ノービザ滞在が30日に短縮 9月15日施行 対象は日本を含む60カ国・地域

タイ内務省が官報に告示した新たな入国管理規則が9月15日に施行された。これまで93カ国・地域を対象に実施されていた最長60日間の査証(ビザ)免除措置が終了し、日本を含む60カ国・地域を対象とする原則30日間の制度に移行した。出入国管理体制の見直しに伴い、観光目的の枠組みを利用した事実上の長期滞在や不法就労の摘発が進む。出張者や駐在員を派遣する日系企業にとっても、滞在可能日数や必要書類の再確認が求められる。
新規則の導入に伴い、ビザ免除期間は対象国ごとに再編された。日本、米国、英国、ドイツ、フランス、オーストラリアなどの主要60カ国・地域からの渡航者は最長30日間の滞在が認められる。一方、モーリシャスとセーシェルの2カ国は最長15日間となった。従来の60日間免除制度から除外された国もあり、対象国リストは大幅に整理されている。
また、到着時に空港などで申請するアライバルビザ(VOA)の適用対象も大幅に縮小。新たな対象国はアゼルバイジャン、ベラルーシ、セルビアの3カ国のみとなり、滞在可能期間は最長15日間、申請手数料は2000バーツとなる。これまでの制度で免除やVOAの対象に含まれていた一部の国籍者は、出発前に正規のビザを取得しなければ渡航できなくなった。
一方、タイが独自に二国間協定を結んでいる国・地域の渡航者については、従来の取り決めが優先される。中国、香港、ロシア、ベトナムなどからの入国者は二国間協定に基づき30日間の滞在が可能であり、アルゼンチン、ブラジル、チリ、ペルー、韓国からの渡航者には最長90日間の滞在が認められている。カンボジアおよびミャンマー(国際空港到着時のみ)からの渡航者の滞在期間は14日間となる。
陸路入国に対する制限も厳格化。30日間のビザ免除を利用して陸路の国境検問所から入国できる回数は、原則として1暦年あたり2回までに制限される。ビザなしでの出入国を短期間で繰り返す「ビザラン」に対する警戒が背景にある。空路入国であっても、頻繁な出入国を繰り返す旅行者に対しては、入国審査官が滞在目的の質問や立証資料の提示を求め、入国を拒否する権限を持つ。ただし、マレーシア、ブルネイ、インドネシア、シンガポールの4カ国についてはこの回数制限の適用対象外とされた。
新規則の施行日である9月15日以前に入国した渡航者に対しては、パスポートに押印された期日まで従前の滞在許可がそのまま有効となる。ただ、9月15日以降にタイへ到着した渡航者は、航空券や宿泊施設をいつ予約したかにかかわらず、すべて新規則に基づく審査を受ける。
30日間のビザ免除で入国した渡航者は、滞在期限を迎える前に入国管理局へ申請することで、最長30日間の滞在延長が認められる場合がある。延長申請の手数料は1900バーツ。ただし、延長を許可するかどうかは審査官の裁量に委ねられており、申請によって自動的に承認されるわけではない。
デジタル入国カード(TDAC)の事前提出義務は継続される。タイ国籍を持たないほぼすべての外国人は、空路、陸路、海路を問わず、タイへの到着日を含む到着前3日以内に専用の公式ウェブサイトを通じて申請を行わなければならない。TDACの登録費用は無料。公式窓口を偽って金銭を要求する民間サイトへの注意が呼びかけられている。
