【経済】タイ、名義貸しネットワーク摘発で資産204億バーツ押収 外資規制強化
広告

タイ政府が、外国資本による名義貸し(ノミニー)事業への取り締まりを強化している。カンボジア人実業家イム・リーク氏と、通称「ベン・スミス」ことベンジャミン・マウアーバーガー氏が関与する金融ネットワークに関連し、約204億バーツ相当の資産が押収または凍結されたと、タイ政府報道官が発表した。
押収は主に今年前半に実施されたもので、違法な事業活動を取り締まる継続的な作戦の一環。アヌティン首相(内相を兼任)は関係省庁に対し、名義貸しの疑いがある個人・法人・株主・土地所有のデータを一元的に集約し、不正な取引ネットワークや資産を追跡するよう指示。商務省も企業開発局を通じ、株主構成の適法性審査を強化している。
内務副大臣は、外国資本が過半を出資しながら違法に土地を保有している疑いのある企業を約2200社特定したことに言及。株主構成や口座に不審な変化がある企業も1万1000社超に及び、推定資産額はこの2週間で650億バーツから850億バーツへ増加したという。土地局は調査を加速し、違反が確認された企業に対しては土地の強制売却を進める方針だ。
こうした名義貸しは、外国人事業法(FBA)が定める外資規制の対象業種において、タイ人がタイ人名義で出資しているように見せかけ、実質的には外国資本が支配する事業を運営する手法。土地所有や小売業など、タイ人が過半数を出資しなければならない業種で特に問題視されてきた。
外資規制の運用が厳格化する中、タイで現地法人を設立・運営する日系企業にとっては、株主構成や実質的支配者の透明性が一段と重視されることになっている。
