【商業】タイ中小企業、景気刺激策の対象拡大を政府に要望 年間売上上限の見直しへ
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タイの中小企業(SME)が、政府の消費支援策「タイ人がタイ人を助けるプラス」の対象範囲拡大を求めている。現行制度では加盟店の年間売上上限が180万バーツに設定されているが、業界団体はこの上限をさらに引き上げるよう政府へ要望した。
同スキームは物価高とエネルギー価格上昇による生活負担を和らげる目的で、総額1760億バーツを投じて4300万人超の国民を支援する仕組み。一般国民3000万人には月1000バーツを上限に費用の60%を補助し、福祉カード保有者1318万人には月額の給付を300バーツから1000バーツへ引き上げている。
タイ工業連盟(FTI)は、付随策である中小企業向けの資金繰り支援や設備投資促進、AI導入支援、輸出多角化支援などを合わせて完全に実行できれば、SMEの国内総生産(GDP)を35〜40%押し上げられるとの見通しを示す。政府調達市場でも「メイド・イン・タイランド・プラス」として、総額7200億バーツに上る公共調達に占めるSMEの割合を、現行の43%から45〜50%以上へ高める方針が示されている。また、人材育成策「スキルブリッジ」も並行して進められ、8万人超のタイ人労働者を対象とした技能訓練が実施されているという。
タイのSMEはGDPの約80%を生み出す経済の裾野を支える存在であり、日系企業にとっても現地の販売代理店や部品供給元の多くがSMEに当たる。売上上限の見直しが実現すれば、より多くの取引先が支援対象に入り、資金繰り改善、受発注・納期の安定に資する可能性がある。財務省はこの制度を景気刺激策ではなく、消費の急激な落ち込みを防ぐための一時的な救済措置と位置づける。
