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【社会】バンコク豪雨で全区が災害地域指定、4都県で9月28、29日を公休日に

タイの首都バンコクを記録的な豪雨が襲った。バンコク都のチャチャート知事は9月26日、都内全50区を「災害地域」に指定する命令に署名。24日午後からの約48時間で300ミリ近い雨が降り、都内20カ所以上の道路が冠水した。事態を受けてタイ政府は27日に臨時閣議を実施。28日(月)と29日(火)の2日間を、バンコク都とノンタブリ、パトゥムタニ、サムットプラカンの3県を合わせた4都県で公休日とすることを決めた。高速道路の無料開放も29日夜まで延長する。タイ気象局(TMD)は27日深夜まで大雨が続くと警告しており、排水作業は夜を徹して続いている。

閣議決定に先立ち、バンコク都は独自の措置を打ち出していた。交通混雑の緩和と児童・生徒の安全確保のため、28日は都立学校をすべて休校とした。欠かせない業務のない都職員には在宅勤務を指示。国家公務員については、公務員委員会事務局(OCSC)が28〜29日の在宅勤務を「検討するよう」各機関に通知していた。今回の閣議決定により、4都県では両日とも正式な公休日となった。

民間企業や銀行、証券取引所の営業の扱いについて、閣議決定を伝える報道は触れていない。取引先や金融機関の対応は、各社・各機関の発表を個別に確かめる必要がある。

高速道路8路線の無料化を29日まで延長

高速道路の無料開放は、ピパット副首相兼運輸相の指示を受けてタイ高速道路公社(EXAT)が26日午後1時に始めた。当初は27日深夜までの予定だったが、29日(火)24時まで延ばした。ワチャラポン副大臣は「移動の費用負担を減らし、便利にすることはとても重要だ」と述べ、調整にあたった運輸省に謝意を示した。対象は次の8路線だ。

  • チャルームマハナコン高速道路(第1段階高速道路)
  • シーラット高速道路(第2段階高速道路)
  • チャロンラット高速道路
  • ブラパーウィティ高速道路(バンコク〜チョンブリ)
  • ウドンラッタヤー高速道路(バンパイン〜パークレット)
  • バンナー〜アートナロン高速道路
  • カンチャナピセーク高速道路(バンプリー〜スックサワット)
  • プラチムラッタヤー高速道路

例年の水準をはるかに上回る9月の雨量

今年9月の雨は、雨季のピークという例年の水準をはるかに上回る。バンコク都下水道局によると、9月1〜25日の累積雨量は487ミリに達した。1991〜2020年の同期間の平均269ミリの約1.8倍にあたる。TMDは、低気圧とモンスーントラフ(monsoon trough)が重なったことを原因に挙げる。モンスーントラフとは、季節風がぶつかり合って雨雲ができやすくなる帯状の気圧の谷のことだ。

排水の要となる運河は限界に達している。都東部を中心に運河の水位が危険水準を超え、タイ防災局は26日午前、携帯電話への一斉通知で「運河の水位は危機的な水準にあり、なお上昇している」と警告した。対象はセーンセープ運河やラートプラオ運河など5本だ。都内のポンプ施設は合計で毎秒1200立方メートルのフル稼働を続けている。それでも知事は「運河が満杯であり排水が進まない」と説明する。雨が完全に止んでも、冠水の解消には2〜3日かかる見通しだ。

冠水は都内の幹線道路に広く及んでいる。地元メディアの報道を総合すると、20カ所以上の道路が冠水し、うち7カ所は小型車の通行が難しい水位に達した。ビパワディ・ランシット通り、パホンヨーティン通り、ラチャダーピセーク通り、スクムビット通り、ラムカムヘン通り、ラマ9世通り、ロムクラオ通りなどが含まれる。

住宅地の被害も深刻だ。バンコク東部にある国家住宅公社のクローンチャン団地では、駐車場の車が次々と水につかった。タイ公共放送(Thai PBS)によると、水深は1メートルを超え、多くの車が完全に水没した。約4000世帯が孤立し、電気と水道も止まった。住民は調理済みの食事や飲み水、粉ミルクを求めているが、公的支援の到着は著しく遅れている。

浸水への不安から、食料や日用品を買い込む住民が相次いだ。一部の店舗では品切れも起きている。知事は、800人以上が亡くなったとされる2011年の大洪水とは状況が異なると強調し、「パニックに陥る必要はない」と呼びかけた。

28日以降は天候が落ち着く見通しだが、西部では強い雨が残る可能性がある。アンダマン海とタイランド湾では2〜3メートルの高波が予想され、TMDは小型船に27日まで出航を控えるよう求めた。最新情報はTMDのホットライン(0-2399-4012〜13、1182番)で確認できる。

タイで事業を展開する日系企業は、28〜29日の官公庁の休日で役所の手続きや許認可の窓口業務が止まる点に注意したい。雨がやんでも水が引くまでには数日かかるとされる。社員の通勤や物流の安全確認を含め、当面は最新情報を追いながらの対応を迫られそうだ。

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