【経済】金輸入が11カ月で9000億バーツ、税関局長「赤字の要因」と管理強化訴え

タイ税関局のパントーン局長は9月25日、金の輸入の管理を強めるべきだと訴えた。2026会計年度の最初の11カ月(2025年10月〜2026年8月)で、金の輸入額は約9000億バーツにのぼった。輸入全体の7〜8%を占める規模だ。
同じ期間の貿易総額は24兆501億5800万バーツと、前年同期比19.31%増えた。輸入は26.30%増の12兆8039億1600万バーツ、輸出は11兆2462億4100万バーツだった。
問題は約1兆6000億バーツに膨らんだ貿易赤字である。局長によると、金の輸入約9000億バーツと原油の輸入約1兆バーツを合わせると、2兆バーツを超える。この2つを除けば、タイの貿易は黒字になる計算だ。ただ、原油に近い額の金を輸入している点について、局長は「疑わしい」と語った。
タイは現在、金の輸入関税を0%としており、税関局はその分の税収を得られない。しかも、輸入された金がその後どこへ流れるのか、ほとんど把握できていない。局長は「管理が必要なのは、詐欺グループへの懸念だけが理由ではない。貿易赤字にも響く。金の輸入で国内の誰が得をしているのか」と疑問を投げかけた。他国では、マレーシアが金の輸入に10%、インドが15%の関税をかけているという。
輸出する金に税をかける考えはない。タイは金を産出しておらず、輸出の多くはスイスやオーストラリアへ精錬のために送られるものだ。商務省の統計でも、8月のスイス向け輸出は75.8%、オーストラリア向けは81%増え、どちらも金が押し上げた。
ただし局長は、金に関税をかけるかどうかは政策を決める側の判断だとした。税関局はタイ中央銀行(BOT)などに貿易データを提供し、疑わしい取引の監視に協力している。金の大量の出入りはバーツ相場の変動要因ともなっており、今後の議論が注目される。
