【製造】独インフィニオンがタイ新工場開所 480億バーツ投資し半導体の生産拠点に
ドイツの半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは10月1日、サムットプラカン県で新工場の開所式を開いた。アヌティン首相が出席し、「タイが半導体の拠点として将来性を持つことへの強い信頼の表れだ」と歓迎した。BOI(タイ投資委員会)の奨励を受けた事業で、投資額は480億バーツを超える。
新工場の立地は、バンナー・トラート通り32キロ地点のアラヤ・ジ・イースタン・ゲートウェイ工業団地。チップの組み立てや検査を行う「後工程」と、ウエハー(チップを切り出す前の円盤)の検査をまとめて手がける。主力は電力を効率よく制御するパワー半導体とパワーモジュールで、EVや充電設備、データセンター、太陽光発電などに使われる。パワーモジュールの生産拠点としては、ドイツ、中国に続く3カ所目だ。
第1期にあたる「モジュールA」のクリーンルームは3万平方メートル。将来は5期まで広げられる設計で、全体が完成すれば同社で最大の後工程拠点となる見込みだ。電力はすべて再生可能エネルギーでまかなう。従業員は現在約350人で、第1期の本格稼働時に約1000人、計画全体では5000人超の雇用を予定している。
同社のゴルスキー最高執行責任者(COO)は、同じ製品を複数の国で作れる体制が狙いだと説明。これは、マレーシアの工場に問題が起きても、タイで生産を続けられるようにするためだ。同社は1989年からノンタブリ県で工場を運営してきた実績もある。
BOIによると、2023年から2026年上半期までに、半導体と先端電子分野で879件、9090億バーツの投資申請があった。部材の現地調達率60%を目標としており、タイの部品メーカーにとっても取引拡大の好機となる。政府は国家半導体戦略で、最初の5年間に5000億バーツ以上の投資誘致を目標に掲げており、今回の開所はその象徴的な案件と言える。
