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【経済】タイが中小企業4万社超の底上げへ、7億8600万バーツ投じ洪水被災も支援

タイのスパジー副首相兼商務相は10月1日、中小企業の振興を担う委員会の会議で、2027年度(2026年10月〜2027年9月)の支援事業を承認した。対象は4万1480社で、予算は7億8600万バーツ。内訳は通常の基金から6億4030万バーツ、追加の拠出が1億4570万バーツとなる。政府は、事業を通じて58億5600万バーツの経済効果が生まれると見込む。投じた金額の約7.4倍にあたる計算だ。

支援は4つの柱で進める。1つ目は技術と革新の後押しで、中小企業がデジタルを使った事業運営に移れるよう支援。中小企業の情報を一元化する登録制度「SMEワンID」の登録数を、現在の62万3323社から約80万4000社に増やす目標も掲げた。2つ目は海外市場の開拓。国際的な取引の場で競争できる機会を広げ、国内の景気に左右されにくい体質づくりを目指す。3つ目は環境に配慮した経済への移行で、再生可能エネルギーの導入や環境に優しい事業づくりを支える。環境規制が厳しくなる欧州などとの取引を見据えた動きとみられる。

4つ目が災害からの復旧だ。9月下旬からの大洪水で被害を受けた中小企業への緊急支援を最優先に位置づけた。工業省の集計では、10月2日時点で洪水の被害を受けた事業者4216カ所のうち、4006カ所を中小企業が占めている。

タイの中小企業は328万社にのぼり、雇用全体の約69%を支える。国内総生産(GDP)の約35%を生み出す一方、銀行融資の審査で断られる割合は6〜7割と高く、資金の調達が長年の課題となってきた。

日系企業にとって、地場の中小企業は部品や資材の重要な調達先であり、提携相手でもある。デジタル化や環境対応が進めば、取引先として選べる幅が広がることになる。洪水からの立ち直りの速さが、当面の優先課題となりそうだ。

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