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【エネルギー】石油基金の赤字、1000億バーツ目前 軽油補助の縮小へ出口戦略を準備

タイの石油燃料基金が、深刻な資金不足に陥っている。基金は、国際価格が上がっても国内の燃料価格を一定に抑えるため、差額を補う仕組みだ。エネルギー省によると、10月4日時点の赤字は989億4200万バーツで、内訳は石油勘定が584億2900万バーツ、LPG(液化石油ガス)勘定が405億1300万バーツとなる。7日には1000億バーツを超えたとの見方も出ている。

中東での軍事衝突で原油が高騰した局面では、基金は軽油1リットルあたり5〜6バーツを補助し、1日に最大約7億バーツを拠出。その後、補助を2〜3バーツに縮め、すべての燃料を1リットルあたり0.75バーツ値上げした。値上げにより1日の流出は1億〜2億バーツ減り、直近の流出額は1日3億7500万バーツまで下がっている。

国際原油価格は、中東からの輸出の回復と主要7カ国(G7)の備蓄放出で下落した。船舶の動きをもとにしたデータでは、10月1日までの7日間平均で、中東の原油輸出は日量1850万バレルと、戦争前の1800万バレルを上回った。

政府は現在、補助を抑制する「出口戦略」として3つのパターンを検討している。1つ目は、製油所の出荷価格(渡し値)の値引き幅を1リットルあたり1〜2バーツ拡大すること。2つ目は、現在約6バーツの軽油の物品税を2バーツ以上下げること。3つ目は、財務省の保証付きの新たな借り入れだ。ただ、現在の借入枠は200億バーツで、すでに返済などに使われている。2027年度の公的債務管理計画にも、基金の借り入れ保証は含まれていない。いずれのパターンも、アカナット・プロムパン・エネルギー相の判断待ちだ。

なお、この3パターンはいずれも、基金の赤字を、製油所の利益の圧縮、国の税収減、国の債務保証という形で、別の機関に付け替えるというもの。補助を一気にやめれば店頭価格が跳ね上がり、家計や物流コストを直撃するため、負担の配分をどうするかが政策判断の核心になる。

すでにタイ国内の物価にも影響が出ている。商務省によると、9月の消費者物価指数(CPI)の上昇率は2.82%で、このうち燃料が1.85ポイントと、上昇分の6割超を占めた。1〜9月の平均CPIは1.54%で、同省は通年の予想を1.8〜2.2%に絞り込み。北半球の冬の暖房需要や米国とイランの関係しだいでは、原油価格が再び上がる恐れもある。政府は、赤字を埋める手立てを急ぐ必要がある。

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