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【No.】タイ中銀総裁が「K字型経済」に警鐘 中小企業の融資難が成長の足かせに

タイ中央銀行(BOT)は、2026年版の金融システム安定性評価報告書で、中小企業(SME)、不動産、家計の3分野で脆弱性が高まっていると警告した。中東での戦争と国内の洪水が重なり、資金繰りや収益への圧力が強まっている。

ウィタイ総裁は、タイ経済が3つの面で「K字型」に二極化していると指摘した。K字型とは、伸びる層と落ち込む層がアルファベットのKのように上下に分かれる状態を指す。

1つ目はAI関連産業とそれ以外の格差だ。輸出全体は17〜18%伸びたものの、AI関連は40%増、それ以外は約5%増に留まった。AI関連製品の輸出は上位1%の企業が82%を占め、うち57社は外資系。雇用はタイの労働人口の1.5%に過ぎず、部品の輸入依存も高いため、地場企業への恩恵は小さいという。

2つ目は大企業と中小企業の格差だ。中小企業向け融資は16四半期連続で減少。融資を受けられる割合は、大企業の63%に対し、優良な中小企業でも21%に留まる。中小企業は全事業者の99.5%にあたる約328万社で、雇用の70%にあたる1360万人を支えている。3つ目は高所得層と低所得層の格差で、月収1万5000バーツ未満の層では住宅ローン申請の63%が断られている。

BOTは対策として、12月に中小企業と金融機関を結ぶ融資仲介サイト「クレジット・ポータル」を始める。さらに、年間1000億バーツ規模の融資を目指す5年間の信用保証制度を2027年初めに導入し、電気・水道料金の支払い履歴などで返済能力を測る仕組みも整える計画だ。

総裁によると、タイの潜在成長率は1997年の通貨危機前の7.3%から段階的に下がり、2026年の成長率は2.3%と見込まれる。日系企業にとっては、取引先の中小企業の資金繰りや、消費の伸び悩みに注意を払う必要がありそうだ。

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