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【貿易】タイ・EUのFTA交渉が最終局面、関税削減の範囲と知的財産の扱いが焦点

タイと欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)交渉が大詰めを迎えている。第10回交渉は9月28日から10月6日までプーケットで開かれ、協定の条文づくりで大きな進展があった。ただ、市場をどこまで開くかや、政策にかかわる論点はなお残る。両者は2026年中の妥結を目指す。

モノの貿易では、どの品目の関税をすぐになくし、どの品目を段階的に下げるかが最大の焦点となる。国内産業を守るため関税を残したい「センシティブ品目」をどう扱うかも決める必要がある。タイは農産物や食品、加工農産品、工業製品の対EU輸出拡大に期待を寄せる。一方、EUはタイ市場で欧州製品を売りやすくすることを求めている。最も意見が分かれやすいのが農業と食品。食品の安全基準や原産地のルールなど、EUの基準を満たすには費用がかかるためだ。

交渉はモノだけでなく、サービスや投資、政府調達にも及ぶ。会社の設立や出資比率の条件、どの官庁の入札に外国企業が参加できるかが議論されている。EUは労働者の権利や環境保護、気候対策を守らせる「貿易と持続可能な開発」の章も重視する。

このほか、知的財産も大きな論点だ。植物の新品種を保護する国際条約(UPOV1991)への加盟や、世界貿易機関(WTO)の基準を超える知的財産保護(TRIPSプラス)が求められる可能性がある。第10回交渉の前には、市民団体146団体が懸念を表明。農家が種を自家採取する権利や、薬の入手しやすさ、公衆衛生への影響を心配する声が出ている。

EUは提案文書を公表しているものの、最新の品目別の条件は明らかにしていない。協定が成立すれば、タイを輸出拠点とする日系企業にとって、欧州向けの関税コストやサプライチェーンの組み方を見直す機会ともなりそうだ。

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