【食品】タイ産ドリアンの対中輸出73万トン超、商務省が品質と物流の3戦略を提言

タイ商務省国際貿易振興局は、中国向けドリアン輸出の拡大に向け、事業者に3つの戦略を提言した。
中国・南寧にある同局の事務所が、国境の検問所「友誼関(ゆうぎかん)」の最新状況を報告した。報告によると、2026年1〜9月の同検問所を通じたドリアン輸入は73万9000トンで、前年同期比19%増。中国側はAIやデジタル技術を使った検査システムを導入し、通関の時間短縮を進めている。タイ産果物の出荷が集中する4〜7月には、多い日で1日300個以上のコンテナが通過するという。
1つ目の戦略は、生産から出荷までの品質管理の徹底だ。果樹園には適正農業規範(GAP)、選果場や加工場には適正製造規範(GMP)の順守を求める。中国が厳しく監視する黄色の染料「BY2」や、カドミウムなど重金属の管理も欠かせない。
2つ目は、デジタル化による追跡の仕組みづくりだ。農園の登録番号や収穫日、品質検査の結果、輸送中の温度などを記録し、産地から店頭までさかのぼれるようにする。中小の農園には、共同でデータを管理し、中国の輸入業者や物流会社と書類を事前にそろえることを勧めた。
3つ目は、輸送ルートの分散となる。友誼関が混み合う場合に備え、東興の検問所や憑祥の鉄道検問所、南寧空港、欽州港など広西チワン族自治区の別ルートを検討するよう呼びかけた。ただし、生鮮品の受け入れ体制や費用、検査の手順は経路ごとに異なる。
ドリアンはタイの農産物輸出の柱で、2026年5月の自由貿易協定(FTA)を使った輸出でも首位を占めた。一方で、中国の検査で不合格が出れば出荷全体が止まる恐れがあり、タイ政府は冷凍ドリアン工場への規制も強めている。
食品加工や物流を手がける日系企業にとっては、コールドチェーン(低温物流)や検査サービスの需要が広がる好機となりそうだ。品質への信頼を守れるかが、今後の輸出の伸びを左右する。
