【エネルギー】小型原発SMR導入でIAEAがタイを評価 ASEANで主導的役割の可能性
タイ発電公社(EGAT)とエネルギー省、国際原子力機関(IAEA)は、小型モジュール炉(SMR)の導入に向けた技術フォーラムを開いた。SMRは工場で部品を作って組み立てる出力の小さい原子炉で、建設期間が短く、安全性も高いとされる。会合では、事業化の前段階となる予備調査と実現可能性調査の進め方を議論した。
IAEAのアンナ・ジェイソン氏は、タイが原発導入に必要な19の基盤項目について自己評価を済ませたことを、非常に前向きな一歩だと評価した。そのうえで、人材育成、利害関係者の参加、立地選定、産業界の参画、国家方針、事業管理、資金調達の7項目は、特に慎重な検討が必要だと指摘した。
ASEANでは原子力への関心が高まっている。ベトナムは初の原発建設に向けて準備を急ぎ、シンガポールは来年IAEAの評価団を受け入れる。インドネシアは海に浮かべる原発も選択肢に入れており、フィリピンとマレーシアも準備を再開した。同氏は、タイが堅実な調査を重ねれば、ASEANで主導的な役割を担えると述べた。世界では38カ国が、2050年までに原子力の発電能力を3倍に増やす宣言に加わっている。
タイの電力開発計画(PDP2026)の草案は、2050年までに最大9000メガワットのSMRを想定する。EGAT関係の報道では、初号機の目標は2037年で、1基あたりの建設費は約700億バーツと見積もられている。11月2〜6日には、原子力庁(OAP)とIAEA、米エネルギー省がバンコクで、SMRの資金調達をテーマにした地域会合を開く。タイの自己評価でも、資金調達は急いで対応すべき3分野の一つに挙げられている。
データセンターの誘致や工場の脱炭素化が進むなか、安定した低炭素電源の確保は企業の投資判断を左右する。SMRの検討状況は、日系企業も長期的に注視しておきたい。
