【エネルギー】アヌティン首相、燃料税の一律引き下げを否定 E20とB20に絞って減税へ

アヌティン首相は10月31日、自身の番組「アヌティン首相と語る」で、エネルギー構造の転換を進める方針を改めて示した。燃料税を一律に引き下げることは否定し、財政の持続性を優先する考えを強調した。

首相が柱に据えるのは、家庭の屋根に太陽光パネルを設置する「市民ソーラー」計画だ。第1期は100万世帯を対象に1世帯あたり5万バーツを支援し、総額は500億バーツにのぼる。家庭が自ら電気をつくれば、送電網から買う電力を減らせるうえ、余った電気を電力公社に売って収入も得られる。首相は、輸入原油や化石燃料への依存を下げる狙いがあると説明した。

財源は、上限2000億バーツの緊急勅令に基づく借り入れの一部を充てる。首相は、上限いっぱいをすぐ借りるわけではなく、使わない分は借りる必要がないと述べた。実際に引き出すまで利息もかからないという。

燃料税では、バイオ燃料のE20(エタノール20%混合ガソリン)とB20(バイオディーゼル20%混合軽油)に絞って減税する方針を示した。価格差を広げて利用者の切り替えを促すとともに、原料となるパーム油やサトウキビ、キャッサバの需要を高め、農家の所得を支える。

一方で、すべての燃料の税を一律に下げることには反対した。オクタン価91や95のガソリンは原料を輸入に頼っている。一律減税は大きな税収減を招き、道路や治水などの公共サービスに回す財源が細るとした。

番組では、IT関連の投資家が2030年までにタイで約1000億バーツを投じる計画で、すでに約800億バーツを投資済みとも明らかにした。中小企業への代金の支払い期限を、農産品は30日、その他は45日以内に定めたことにも触れた。軽油価格は物流費を左右するだけに、運輸や製造の現場を抱える日系企業は、減税の対象と時期を注視することが必要だ。

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