警察病院特別室で服役のタクシン元首相に特別扱いとの疑惑再浮上 病院側は情報提供拒否
タクシン元首相が服役中に長期にわたって警察病院の特別室で過ごすことが認められたことについては、元首相に対する特別扱いがあったのとの疑惑が再浮上している。
この件を調べている国家汚職制圧委員会(NACC)のニワッチャイ事務局長はこのほど、特別扱いがあったかどうかの判断材料になり得る監視カメラの映像が病院側からまだ提出されていないと明らかにした。
元首相は昨年8月末に15年ぶりに帰国し、すぐに禁錮8年が言い渡されたが、収監されたその日の深夜に体調不良を訴えてバンコク中心部の警察病院に緊急搬送された。元首相は間もなくして恩赦で刑期が1年に短縮されたが、今年2月18日に仮釈放が認められるまで同病院の特別室に入院。そして、仮釈放中の8月半ば、国王陛下の72歳の誕生日に因んだ恩赦で刑期満了を待たずに釈放された。
元首相に長期にわたって病院で服役することが許されたことに関しては、「一般の受刑者ではとうてい受けることのできない明らかな厚遇」といった批判的意見が噴出。これに対し、関係当局は、すべて合法であり、問題はないと説明したが、具体的にどのような理由で元首相が刑務所生活に耐えられず、入院が必要だったかについては「個人情報」に立ち入ることになるとして説明を行っていない。ニワッチャイ事務局長によれば、警察病院と矯正局に対し入院中の元首相の映像を提出するよう要請したが、まだ返答がないという。