10 ⽉のタイ⾃動⾞市場ーー⽣産台数・輸出台数・販売台数・BEV登録台数
⽣産台数
タイ最大の経済団体であるタイ工業連盟(FTI)は11 月25 日、今年10 月のタイ国内自動車生産台数を前年比25.13%減の11 万8842 台と発表した。タイ国内販売向け生産台数が同51.70%減と大きく落ち込んだほか、輸出向け生産台数も同7.0%減少したことが響いた。また、今年1月から10 月の累計生産台数は前年比19.28% 減の124万6868 台となった。
今年10 月の車種別生産台数であるが、乗用車は前年比17.07%減の4 万7481 台。内訳は、内燃機関車(ICE)が同22.49%減の3 万2607 台、バッテリー式電気自動車(BEV)が同34300%増の688 台、プラグインハイブリッド車(PHEV)が同8.76%減の500 台。そして10 月はハイブリッド車(HEV)も同6.48%減の1 万3586 台と、今年初の前年割れとなった。1 月から10 月の累計台数は前年比11.91%減の47 万4200 台となっている。
10 月の1 トンピックアップトラックは前年比27.83%減の7 万514 台。1 月から10 月の累計台数では前年比22.33%減の75 万7709 台となった。1 トンピックアップトラック累計台数の内訳は、ピュアピックアップトラックが同30.03%減の12万468 台、ピックアップトラックW キャブが同21.84%減の50 万462 台、フォーチュナ(トヨタ)・パジェロスポーツ(三菱)・ミューエックス(いすゞ)・テラ(日産)などピックアップ乗用車(PPV)が同16.11%減の13 万6779 台となった。
一方、10 月の輸出向け生産台数は前年比7.0%減の8 万7741 台で、総生産台数の73.83%を占めた。車種別生産台数は、乗用車が前年比4.99%減の2 万7187 台、1 トンピックアップトラックが同7.87%減の6 万554 台となった。また、1 月から10 月の全車種累計生産台数は前年比4.69%減の86 万1961 台となっている。
これに対し、10 月のタイ国内販売向け生産台数は、前年比51.70%減の3 万1101 台で、総生産台数の26.17%に止まった。車種別生産台数は乗用車が前年比29.14 減の2 万294 台、1 トンピックアップトラックが同68.85%減の9960 台となっている。また、1 月から10 月の全車種累計生産台数では前年比39.89%減の38 万4952 台となった。
FTI では当初、今年の目標生産台数を前年比3.17%増の190 万台としていたが、今年6 月に170 万台へと下方修正。今回さらに150 万台へと引き下げている。輸出向け生産台数を115 万台から105 万台へ、国内販売向け生産台数を55 万台から45 万台へと引き下げた。
輸出台数
FTI が発表した10 月の完成車輸出台数は前年比20.23%減の8 万4334 台となった。ただ、前月(今年9 月)比では5.08%増加している。
輸出台数が前年比で減少したのは、比較対象となる前年同月の輸出が10 万5726 台とかなり好調だったことがある。そのため、すべての市場で前年割れとなっているが、特に深刻なのがイスラエルとイスラム武闘派組織ハマスとの戦闘の影響を受けているオーストラリア、中東、欧州の各市場だ。さらに、ウクライナとロシアの戦争も激しさを増しており、全市場への影響が懸念されている。
車種別では、全輸出車両台数の54.45%を占める1 トンピックアップトラックが前年比26.67%減の4 万5922 台と不振が続く。また、ICE 乗用車も同23.17%減の2 万1831 台(全輸出車両台数の25.89%)と数字を落とした。これに対し、HEV 乗用車は同80.21%増の3806 台(同4.51%)、PPV も同1.61%増の1 万2775 台(同15.15%)と共に数字を伸ばしている。
10 月の完成車輸出額は前年比23.11%減の557 億2819 万バーツ。完成車にエンジン・パーツ等を含めた自動車関連の総輸出額も同19.78%減の772 億7486 万バーツに止まった。
一方、1 月から10 月の累積完成車輸出台数であるが、前年比8.02%減の85 万3221 台。輸出額は同0.53%減の5887 億9048 万バーツ。完成車にエンジン・パーツ等を含む自動車関連の総輸出額は同0.38%増の8022 億2078 万バーツとなる。
販売台数
FTI が発表した10 月の新車販売台数を前月(24 年9 月)比36.08%減の3 万7691 台で、コロナ禍でのロックダウンが解除されてからの54 カ月における最低値となった。金融機関が自車ローンの審査を厳格にしていること、経済回復が遅れていることーなどが響いた。
車種別では全車種の57.67% を占める乗用車が前年比33.21%減の2 万1814 台、1 トンピックアップトラックが前年比41.65%減の1 万896 台に止まった。売れ筋のピックアップ乗用車(PPV)も前年比43.33%減の2451 台と伸び悩んだ。なお、乗用車の内訳であるが、ICE(全車種の30.68%)が前年比27.80%減の1 万1562 台、BEV(同9.86%)が前年比49.73%減の3717 台、HEV(同16.74%)が前年比31.23%減の6308 台、PHEV(同0.6%)が前年比187.34%増の227 台となっている。
⼆輪⾞市場
FTI が発表した10 月の二輪車生産台数は前年比70.52%増の29 万4395 台と大きく伸びた。内訳であるが、完成車(CBU)は同6.35% 増の14 万9010 台だったが、ノックダウン車(CKD)が同346.93%増の14 万5385 台と急増している。
また、1 月から10 月の累計生産台数は前年比1.49%減の203万213 台となった。内訳はCBU が同10.84%減の158 万5364 台、CKD が同57.34%増の44 万4849 台。FTI は今年通年の生産台数目標を23 年度実績の0.03%減となる212 万台に設定している。
10 月の二輪車の輸出台数であるが、CBU とCKD を合わせた輸出台数は前年比156.94%増の17 万5066 台。前月(今年9 月)比でも150.98%増加した。輸出額は前年比16.62%減の65 億6290 万バーツとなった。また、1 月から10 月の累計輸出台数は前年比15.89%減の77 万6362 台、累計輸出額は同5.89%減の566 億3939 万バーツとなっている。
一方、タイ国内の販売台数であるが、10 月は前年比18.86%増の14 万113 台となった。また、1 月から10 月の累計販売台数は前年比10.09%減の142 万1824 台となっている。
バッテリー式電気⾃動⾞(BEV)登録台数
FTI によれば、10 月のバッテリー式電気自動車(BEV)の車両登録台数は前年比32.19%減の6651 台となり、3 カ月連続しての前年比マイナスとなった。
内訳は、乗用車等が同36.62%減の4890 台、ピックアップ・バンが同110.53%減の40 台、オート三輪が同90.32%減の3 台、二輪車が同13.47%減の1702 台となるなど、全車種で前年を下回った。また、1 月から10 月の累計台数は前年比6.12%増の8 万2304 台で、内訳は乗用車等が同2.18%増の5 万9198 台、ピックアップ・バンが549 台、オート三輪が144 台、二輪車が同21.53%増の2 万1756 台など。なお、今年10 月31 日の時点で車両登録されたBEV の累計は21 万3173 台となり、前年比94.70%増となった。
一方、10 月のハイブリッド車(HEV)の車両登録台数は前年比30.36%増の8622 台、プラグインハイブリッド車(PHEV)は同8.95%減の773 台。また、1 月から10 月の累計台数はHEV が前年比56.61%増の11 万2819 台、 PHEV が同22.15%減の8083 台となる。