インラック元首相への賠償命令 行政裁が取り消しの判断
タクシン元首相の妹であるインラック元首相(53)は首相在任中(11年8月8日~14年5月7日)に実施したコメ買い上げプログラムで巨額の損失が出たとして最高裁から357億バーツの損害賠償を命じられることになったが、中央行政裁判所は4月2日、この命令を無効とする判断を示した。
行政裁では、インラック政権の支持層である農民を優遇すべく市場価格を上回る高値でコメを買い上げるという同プログラムは現場レベルで問題が起きていて複数の者が不正に関与していたのであり、当時のインラック首相に責任があるとした最高裁の賠償命令は適切なものとは言えないとしている。また、ウィサヌ副首相によれば、今回の中央行政裁の判断について財務省は30日以内に最高行政裁に控訴することが可能とのことだ。
なお、タクシン元首相もインラック元首相も首相の座を離れたあと首相在任中の不正について罪を問われることになったが、ともに裁判で判決が出る前に国外に逃亡し、その後一度も帰国していない。