悪徳警官らが薬物容疑者を殺害か 首相が調査を命令
警察官が容疑者を締め上げて死なせた様子を撮影したとされる動画がネット上に流れたことを受けて、プラユット首相がこのほど、スワット警察庁長官に対し事実関係の解明を指示した。この動画は、中部ナコンサワン県ムアン郡(県庁所在地)の警察署内で警察官の1人がほかの警察官が見ている前で麻薬容疑者の男から200万バーツを奪うためにこの男の頭にポリ袋をかぶせるなどして締め上げている場面を撮影したものとされている。
この動画をネット上に投稿したのは弁護士。同弁護士によれば、動画を撮影したのは警察官で、この警官から「動画を警察庁長官に渡してほしい。この件を私や同僚の警官が殺される前に取り上げてほしい」と頼まれたとのことだ。
また、スワット長官は8月24日夕方、自ら動画を確認したこと、動画が作り物でなく本物と思われること、関係した警察官を厳しく処罰するよう指示したこと、すでに調査を開始しておりこれまでに警官13人の関与が判明していることなどを明らかにした。
この動画は、有名な弁護士のデーチャ氏が取り上げたことで多くの人が関心を示すことになったが、同氏がネット上に書き込んだところによれば、警官らが違法薬物容疑で逮捕した男女2人から無罪放免を条件に当初100万バーツを脅し取ろうとしたが、しばらくして要求額を200万バーツ引き上げ、これを呑ませるべく恐怖感を与えようとポリ袋を男の頭にかぶせたところ、窒息死させてしまったという。現場にいた警官は下級警官たちに対し、男の死について「麻薬の過剰摂取」だと説明するよう指示。死亡した男と一緒に逮捕された女は、男の死について口外しないことを条件に釈放されたとのことだ。