警察庁副長官の賭博関与疑惑 対立勢力による工作説も
警察委員会が9月末(今年度末)で定年退官するダムロンサク警察庁長官の後任にトーサク副長官を選んだが、その直前に次期長官の有力候補だったスラチェート副長官が違法賭博に関与しているとの容疑で警察の家宅捜索を受けた。この家宅捜索については、次期長官選びからスラチェート副長官を排除するための警察部内の勢力による工作との見方も出ている。このため、警察当局はスラチェート副長官に容疑がかけられた経緯などを詳しく捜査する見通しだ。
家宅捜索では副長官の容疑を裏付ける不審物などは見つからなかった。関係筋によれば、スラチェート副長官が疑われたのは、同副長官の側近の知り合いの女性(25)がオンライン・カジノを開帳していたとして逮捕されたのがきっかけ。5歳児の母親というこのシングルマザーは9月28日、報道陣を前に、7月30日に逮捕されたがオンライン・カジノにかかわったことはなく、すでに保釈されていると説明するとともに、ある警官に賭博に関与していたと認めるよう、そして、スラチェート副長官の側近をはめるよう強要されたと訴えた。また、この女性がスラチェート副長官とカラオケを楽しんでいる写真や動画が出回っているというが、女性によれば、副長官の側近に誘われて行ったところに副長官がいただけで、副長官と知り合いではないとのことだ。
一方、トーサク副長官とスラチェート副長官が一緒に写った写真が9月29日に公開されたことについて、「スラチェート氏が長官に選ばれたことを祝福するためにトーサク氏に面会した」と報じられているが、トーサク氏は、「セーター首相が長官人事を巡るわだかまりが警察のイメージに影響すると懸念していることからスラチェート氏に会うことにした」と説明した。トーサク氏によれば、スラチェート氏が家宅捜索を受けたのは2人を対立させることが狙いとみられるが、トーサク氏自身は家宅捜索については何も知らなかったという。