予算委の顧問 タクシン元首相の容体公表を政府に要求
国家予算に関する検討や予算執行の追跡調査を担当する委員会のソムチャイ顧問は11月30日、警察病院の特別室で服役しているタクシン元首相について現在の容体などを明らかにするよう政府に要求した。
タクシン元首相は8月22日に15年ぶりにタイに帰国し、事実上の亡命生活中に首相在職中の汚職の罪で有罪判決を受けた身であったことから、その日のうちに最高裁判所で禁固8年を言い渡された(のちに禁錮1年に減刑)。ただ、収監された刑務所で22日夜、体調不良を訴えた元首相は設備の整った医療機関で治療を受ける必要があるとの当局の判断で、すぐにバンコク中心部の警察病院の特別室に移送されることになった。
ソムチャイ顧問は、「(元首相が)警察病院のVIPルームに入って100日になる。彼が受けている特別扱いについて政府が今後も真実を明らかにしないのなら、この件は政府そして首相にも危機をもたらすことになる」としている。元首相に関しては、「入院が必要な病人には見えない」といった詐病説や「政府による特別待遇が事前に決まっていた」などの指摘があり、政治活動家などから容体を公表するよう求める声が出ているものの、政府はプライバシーなどを理由に返答していない。