電子マネー1万バーツ給付計画 セーター首相が世論調査の結果を疑問視
16歳以上の国民にそれぞれ電子マネー1万バーツを給付するという現政権の計画について、タイ国立開発行政大学院大学(NIDA)が1月28日、「大勢の人が計画が取りやめになってもさほど驚かない」との世論調査結果を発表した。しかし、セーター首相は29日、「国民全員の意見を反映したものであろうか。私が地方視察の際に会った人々の中に電子マネー給付に反対の人はいなかった」と述べ、NIDAの世論調査結果をにわかに信じることはできないとの認識を示した。
1月22~24日にかけて実施され、18歳以上の1310人が回答した同調査によれば、「電子マネー給付が取りやめになったらどう思うか」との質問に対し、68.85%が「驚かない」と回答。一方、9.39%が「非常に腹立たしく思う」、12.37%が「非常にがっかりする」などと回答した。
また、電子マネー給付計画について、34.66%が「取りやめになるだろう」、33.66%が「予定通りに今年中に実施されるだろう」と回答している。
電子マネー給付計画は現政権の目玉政策だが、巨額の資金が必要であるほか、少なからぬ経済専門家が否定的見解を示していることもあり必要な手続きが難航。計画を速やかに実施するのは難しいとみる向きも少なくない。