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24年の⾃動⾞生産台数 目標は前年比3.17%増の190 万台 タイ工業連盟

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⽣産台数 前年⽐2.22%減の184 万1663 台

タイ最大の経済団体であるタイ工業連盟(FTI)は今年1 月29日、2023年12月のタイ国内自動車生産台数を前年比15.75%減の13万3621台と発表した。タイ国内販売向け生産台数が同29.94%低減したことが響いた。特に低迷したのは1㌧ピックアップトラックで同41.30%減と大きく落ち込んだ。この背景にあるのは、家計債務のGDP比が90.6%に達したことなどから金融機関のローン審査が厳しくなったことがある。このほかにはバッテリー式電気自動車(BEV)の輸入・国内販売台数が増えたことで、乗用車の生産台数が同16.24%減少したことも影響した。その一方で2023 年の輸出用自動車の生産台数は前年比で11.30%伸長している。

12月のセグメント別生産台数であるが、乗用車は前年比7.94%減の5万99台。内訳は内燃機関車(ICE)が同45%減の3万5086台、バッテリー式電気自動車(BEV)は6台であるが22・23年ともに生産ゼロのため比較できず。プラグインハイブリッド車(PHEV)は同30%減の216台となったが、ハイブリッド車(HEV)のみ同38%増の1万4791台と健闘した。1トンピックアップトラックは同21.37%減の8万489台と伸び悩んだ。

2023年通年の自動車生産台数は前年比2.22%減の184万1663台となり、FTI が23年通年の自動車生産台数の目標としていた185万台には僅かに及ばなかった。

2023 年通年のセグメント別生産台数は、乗用車が前年比7.98%増の64 万8803 台となった。内訳は、ICE が同87%減の49 万3499 台、BEV

が164台(前年は生産ゼロのため比較できず)、PHEVが同25%増の8990 台、HEV が同62%増の14万6150台だった。1 トンピックアップトラックは同7.03%減の115万5267台。内訳は、ピュアピックアップトラックが同50%減の20万4919台、ピックアップトラックWキャブが同71%減の75万6392台、フォーチュナ(トヨタ)・パジェロスポーツ(三菱)・ミューエックス(いすゞ)・テラ(日産)などピックアップ乗用車(PPV)が同82%増の19万3959台となっている。

一方、12月の輸出向け生産台数であるが、前年比3.70%減の8 万2592台となり、全生産台数の61.81%を占めた。内訳は、乗用車が同0.47%増の2 万7155台、1トンピックアップトラックが同5.62% 減の5万5437台となる。2023年通年の累計生産台数は前年比11.44%増の115万6035台。内訳は乗用車が同15.82%増の33万3195台、1トンピックアップトラックが同9.76%増の82 万2840 台となった。1トンピックアップトラック累計生産台数の内訳は、ピュアピックアップトラックが同1%減の7万8054台、ピッアップトラックWキャブが同11%増の61万6813台、PPVが同3%増の12万7973台となっている。

 これに対し、12月のタイ国内販売向け生産台数は、前年比29.94%減の5万1029台で、全生産台数の38.19%に止まった。内訳は、乗用車が同16.24%減の2万2944台、1 トンピックアップトラックが同42.57%減の2万5052台となった。

2023年通年の累計生産台数は前年比18.98%減の68万5628台で、乗用車が同0.78%増の31万5608台、1トンピックアップトラックが同32.57%減の33万2427台となる。1トンピックアップトラック累計台数の内訳であるが、ピュアピックアップトラックは同30%減の12万6865台、ピックアップトラックWキャブが同44%減の13万9579台、PPVが同78%減の6万5983台。

 FTIでは今年(2024 年)の目標生産台数を23年比3.17%増の190万台としている。内訳は輸出向け生産台数が115万台、国内販売向け生産台数が75万台。

輸出台数 前年⽐11.73%増の111万7539台

FTIが発表した23年12月の完成車輸出台数は9万305台となり、前月(23年11月)比で9.34%減、前年比でも19.09%減となった。内訳はICE が同21.26% 増の8万7390台、HEVが同366.40%増の2915台となった。輸出額は同12.41%減の624億9978万台。完成車にエンジン・パーツ等を含む自動車関連の総輸出額は同10.08%減の843億3469万台となった。

23年通年では前年比11.73%増の111万7539台となり、コロナ禍直前の2019 年の輸出台数を上回り、過去5年間で最大値となった。FTIが今年の目標輸出台数としていた105万台も上回った。内訳は、ICEが前年比11.30%増の110万2694台、HEV が同56.02%増の1万4845台となる。また、完成車の累計輸出額は前年比15.25%増の7199億9198万バーツ、完成車にエンジン・パーツ等を含む自動車関連の総輸出額は同8.13%増の9727億9064万バーツとなった。仕向国の経済が回復しており、アフリカ市場を除く、全市場で需要が膨らんでいる。

⼆輪⾞生産台数 前年比5.86%減の247万2872台

FTIが発表した23年12月の二輪車生産台数は前年比8.73%減の20万1128台。内訳は、完成車(CBU)が同8.84%減の16万4528台、ノックダウン車(CKD)が同8.27%減の3万6600台だった。23年通年の累計生産台数は前年比5.86%減の247万2872台。内訳は、CBUが同5.20%増の212万738台、CKDが同42.35%減の35万2134台となる。FTIでは今年の二輪車生産台数を210万台と予測していたが、11月の時点ですでに目標を上回った。なお、FTIは24 年通年の生産台数目標を23年度実績の0.03%減となる212万台に設定した。

12月にタイから輸出された二輪車(CBUおよびCKD)は前年比16.73%減の7万6573台、輸出額は同18.97%減の57億6414万バーツとなった。23 年通年の輸出累計はそれぞれ前年比20.51%減の82万2608台、同6.97%減の685億8860万バーツとなっている。

一方、タイ国内の販売台数であるが、12月は前年比8.35%減の13万2377台、23年通年の累計販売台数は前年比3.26%増の185万6814台となった。

販売台数 前年⽐9%減の77万5780台

 FTI によれば、2023年12月の新車販売台数は前年比17.48%減の6 万8326台となった。減少したのは、金融機関のローン審査厳格化により、特に1トンピックアップトラックの販売台数落ち込んだためだ。ただ、前月比(23年12月)では10.88%増となる。

 このうち乗用車は前年比13.95%増の3万9500台。内訳はICEが1 万7555台、BEVが8753台、PHEVが107台、HEVが1万3085台となる。一方、1トンピックアップトラックは44.94%減の1万9543台となった。

 タイ国トヨタ自動車(TMT)は2 月1 日、2023年通年のタイ国内新車販売台数を前年比9%減の77万5780台と発表した。内訳は、乗用車が同10%増の29万2505台、商用車が同17%減の48万3275台となった。商用車のうち、1トンピックアップトラックは同29%減の32万5024台と落ち込んだ。

トヨタでは2024年通年のタイ自動車市場を緩やかな回復期を予想。新車販売台数目標を23年度実績の3%増に当たる80万台に設定した。

バッテリー式電気⾃動⾞(BEV)登録台数 10万214台

 FTIによれば、23年12月のバッテリー式電気自動車(BEV)の車両登録台数は前年比317.43%増の1万1187台となった。内訳は、乗用車等が9232台、ピックアップ・バンが40台、オート三輪43台、二輪車1847 台など。また、23年通年の累計台数は前年比381.77%増の10万214台であり、内訳は、乗用車等が7万6144台、ピックアップ・バンが217台、オート三輪432台、二輪車2万1927台など。なお、23年12月31日の時点でタイ国内で車両登録されたBEVは累計13万1849台となっている。

 一方、12月のハイブリッド車(HEV)の車両登録台数は前年比34.43%減の5509 台、プラグインハイブリッド車(PHEV)は同21.21%減の535台となった。また、23年通年の累計登録台数はHEVが前年比32.85%増の8万5069台、PHEV が同3.28%増の1万1703台となる。

 通年の車両登録台数をカテゴリー別に並べるとBEV10万214台、HEV8万5069台、 PHEV1万1703台となり、BEVの躍進が目立つ。

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