タイ政府 大麻の麻薬リスト再指定を検討 販売店関係者の街頭デモや集団訴訟の可能性も
タイでは大麻がプラユット前政権下の2022年6月9日に当時の与党・タイ威信党の主導のもとに第5種麻薬リストから外され合法化されたが、それ以降、大麻関連の問題が頻発し政府は「準備不足」「拙速」といった批判を浴びることになった。このため、セーター首相は5月9日、「政府は大麻を再び麻薬リストに含めることを検討している。与党・タイ威信党も気分を害することはないはず。政府は国民を最優先に考えて決定を下している」と発表するに至った。
タイ威信党は前回2019年の総選挙で大麻合法化を公約に掲げていた。また、関係筋によれば、2年前の大麻合法化に伴い大麻や関連製品を販売する店が全国にできていることから、今回の政府による大麻政策の転換により、大勢の人が街頭デモを行ったり、集団訴訟に踏み切ったりする可能性があるという。
なお、現行法では、屋外での大麻喫煙と20歳未満の者や妊婦への大麻販売が禁止されているほか、大麻ショップ開設と大麻栽培には当局の許可が必要となっている。