7 ⽉のタイ⾃動⾞市場 金融機関のローン審査厳格化で生産・販売台数ともに減少
⽣産台数 前年⽐16.62%減の12 万4829 台
タイ最大の経済団体であるタイ工業連盟(FTI)は8 月27 日、今年7 月のタイ国内自動車生産台数を前年比16.62%減の12 万4829 台と発表した。ただ、前月(今年6 月)比は7.34%増加している。家計債務の増大と経済不況により金融機関のローン審査が厳格化していることでタイ国内の自動車販売台数が減少しているため、タイ国内販売向け自動車の生産台数が前年比で40.85%減少したことが響いた。また、今年1 月から7 月の累計生産台数は前年比17.28% 減の88 万6069 台となった。
今年7 月の車種別生産台数であるが、乗用車は前年比8.94%減の4 万6046 台。内訳は、内燃機関車(ICE)が同17.83%減の3 万2251 台、バッテリー式電気自動車(BEV)が同18300%増の522台、プラグインハイブリッド車(PHEV)が同54.80%減の372 台、ハイブリッド車(HEV)が同22.65%増の1 万2871 台となった。1 月から7 月の累計台数は前年比11.40%減の32 万9269 台となっている。
7 月の1 トンピックアップトラックは前年比19.14%減の7 万7838 台。1 月から7 月の累計台数では前年比19.93%減の54 万4576 台となった。1 トンピックアップトラック累計台数の内訳は、ピュアピックアップトラックが同29.03%減の8万8323 台、ピックアップトラックW キャブが同19.26%減の36 万1177 台、フォーチュナ(トヨタ)・パジェロスポーツ(三菱)・ミューエックス(いすゞ)・テラ(日産)などピックアップ乗用車(PPV)が同12.25%減の9 万5076 台となった。
一方、7 月の輸出向け生産台数は前年比1.01%増の8 万7538 台で、総生産台数の70.13%を占めた。車種別生産台数は、乗用車が前年比8.02%増の2 万5958 台、1 トンピックアップトラックが同1.67%減の6 万1580 台となった。また、1 月から7 月の累計生産台数は前年比2.20%減の60 万3721 台となっている。
これに対し、7 月のタイ国内販売向け生産台数は、前年比40.85%減の3 万7291 台で、総生産台数の29.87%に止まった。車種別生産台数は乗用車が前年比24.30 減の2 万88 台、1 トンピックアップトラックが同51.65%減の1 万6258 台となっている。また、1 月から7 月の累計生産台数では前年比37.80%減の28 万2348 台となった。
FTI では今年の目標生産台数を前年比3.17%増の190 万台としていたが、先月、170 万台に下方修正。輸出向け生産台数は115 万台で据え置いたが、国内販売向け生産台数を75 万台から55 万台に引き下げている
輸出台数 前年⽐22.70%減の8 万3527 台
FTI が発表した7 月の完成車輸出台数は前年比22.70%減の8 万3527 台となったが、前月(今年6 月)比でも6.22%減少した。7 月はイスラエルとイスラム武闘派組織ハマスとの紛争が中東および欧州への輸送の障害となり、このため、アジア市場、豪州市場、中東市場、欧州市場、中央・南アメリカ市場への輸出が減少している。
車種別では、1 トンピックアップトラックが前年比24.68%減の4 万5439 台と数字を落とし、全輸出車両の54.40%を占めた。ICE 乗用車が同22.65%減の2 万6288 台(全輸出車両の31.47%)、PPV が同37.59%減の8116 台(同9.72%)と前年比大幅減となる一方で、HEV 乗用車は同405.35%増の3684 台(同4.41%)と伸長した。
7 月の完成車輸出額は前年比16.56%減の563 億9787 万バーツと不調。完成車にエンジン・パーツ等を含めた自動車関連の総輸出額も同11.71%減の814 億3429 万バーツに止まった。
一方、1 月から7 月の累積完成車輸出台数であるが、前年比5.39%減の60 万2567 台。輸出額は同5.82%増の4198 億7226万バーツ。完成車にエンジン・パーツ等を含む自動車関連の総輸出額は同5.90%増の5671 億8063 万バーツとなる。
販売台数 前年⽐20.6%減の4 万6394 台
タイ国トヨタ自動車は8 月30 日、今年7 月の新車販売台数を前年比20.6%減の4 万6394 台と発表した。内訳は乗用車が同26.4%減の1 万6571 台、商用車は同16.9%減の2 万9823台となった。商用車のうち、1 トンピックアップトラックは同35.5%減の1 万6125 台と落ち込みが続いている。
また、電動車(xEV)市場の販売台数は1 万7243 台となり、全販売台数の37.2%を占め、前年同期比で41.4%増加した。内訳はHEV が前年比44.3%増の9203 台となり、これまで通りxEV 市場をけん引。BEV も48%増の7265 台と前月から一転して数字を伸ばした。
8 月の新車販売市場であるが、トヨタ自動車は7 月と比べて状況は好転するが、前年比ではマイナスが続くものと予測する。その理由として、金融機関のローン審査厳格化、経済成長停滞などを挙げるが、その一方で、バンコク国際展示場(BITEC)で8 月23 日から9 月1 日まで開催された「BIG MOTOR SALE2024」において多くのメーカーが新モデルを投入したり、新プロモーションを立ち上げたりしたことから、新車販売台数をある程度押し上げることに期待感を示す。
⼆輪⾞市場
FTI が発表した7 月の二輪車生産台数は前年比8.01%減の17 万9176 台。内訳は、完成車(CBU)が同11.27%減の15 万947 台、ノックダウン車(CKD)は同14.52%増の2 万8229 台と好調だった。
1 月から7 月の累計生産台数は前年比8.33%減の137 万6369 台となった。内訳はCBU が同11.73%減の114 万5520 台、CKD が同13.30%増の23 万849 台。FTI は今年通年の生産台数目標を23 年度実績の0.03%減となる212 万台に設定している。
7 月の二輪車の輸出台数であるが、CBU とCKD を合わせた輸出台数は前年比8.53%減の5 万8757 台。ただ、前月(今年6 月)比では7.39%増加している。輸出額は前年比18.72%減の46億2429 万バーツとなった。1 月から7 月の累計輸出台数は前年比3.82%減の47 万3075 台、累計輸出額は同10.10%減の373 億5460 万バーツとなる。
タイ国内の販売台数であるが、7 月は前年比6.12%減の14万1557 台となった。また、1 月から7 月の累計販売台数は前年比9.84%減の103 万2091 台となっている。
バッテリー式電気⾃動⾞(BEV)登録台数
FTI によれば、7 月のバッテリー式電気自動車(BEV)の車両登録台数は前年比20.68%増の8332 台となり、前年比でプラスに転じている。内訳は、乗用車等が同13.58%増の5771 台、ピックアップ・バンが73 台、オート三輪が9 台、二輪車が同40.62%増の2413 台など。また、1 月から7 月の累計台数は前年比21.05%増の6 万243 台で、内訳は乗用車等が同18.29%増の4 万3524 台、ピックアップ・バンが258 台、オート三輪が87 台、二輪車が同39.03%増の1 万6146 台など。なお、今年7 月31 日の時点で車両登録されたBEV の累計は19 万1414台となり、前年比133.82%増となった。
一方、7 月のハイブリッド車(HEV)の車両登録台数は前年比99.80% 増の1 万1888 台、プラグインハイブリッド車(PHEV)は同15.46%減の826 台。また、1 月から7 月の累計台数はHEV が前年比60.86% 増の8 万3794 台、 PHEV が同21.06%減の5722 台となる。