フン・セン前首相の側近に逮捕状 タイ3都県で家宅捜索 カンボジアに報復か
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タイ警察庁サイバー犯罪捜査局(CCIB)は7月8日、カンボジアのフン・セン上院議員(前首相)の側近とされるカンボジア人のコック・アン容疑者(71)の逮捕状を刑事裁判所が発付したことを受け、バンコク都、中部サムットプラカン県、東部チョンブリ県で同容疑者の関係先19か所を家宅捜索した。
今回の家宅捜索で高級車数台と現金2700万バーツを押収したが、カンボジアのポイペトで詐欺組織の活動を支援しているとされる同容疑者は所在不明で逮捕できなかった。警察によれば、同容疑者の娘(42)も詐欺などにかかわっているとみられるものの、現在台湾に滞在中とのことでバンコク都プラウェート区の自宅には不在だった。
また、カンボジアとの国境紛争の再燃に絡んで、タクシン元首相と旧知の仲とされるフン・セン氏が、タクシン氏の次女ペートンタン首相率いるタイ現政権に敵対的な発言を繰り返していることから、今回のタイ当局の動きについては、「フン・セン氏への復讐」との見方も出ている。
なお、タウィー法相は8日、「家宅捜索は国境紛争とは無関係。国際的な犯罪シンジケートの摘発はタイにとって優先課題」と説明した。
