【経済】 タイ中銀金融政策委、中小企業の資金繰り悪化を警戒
広告
タイ中央銀行の金融政策委員会(MPC)は、8月13日に開いた年4回目の会合で、中小企業(SME)の資金繰りが悪化しつつある現状に懸念を示した。
報告書によると、SMEは安価な中国製輸入品との競合や高い借入金利、融資審査の厳格化で苦境にある。既にコスト削減や規模縮小を余儀なくされた企業も多い。以下は報告書の要旨。
- 信用リスク上昇により、家計とSME向け融資の伸びがマイナスに
- 大企業も投資判断を先送りしており、融資需要は全体的に減少
- 雇用減少や所得低下を通じ、家計債務返済能力が弱まる懸念
MPCは「銀行がSMEに課す金利は依然高く、引き下げも大企業ほど迅速ではない」と指摘。信用供与がさらに縮小すれば、多くのSMEが廃業に追い込まれる可能性があるとした。
このほか、米国の相互関税や世界経済減速による輸出鈍化が懸念されるが、「第3四半期に急落するのではなく、緩やかな減速にとどまる」との見方も出ている。輸出、観光、個人消費という「三本の成長エンジン」が弱含む中、政策対応の柔軟さが一層求められている。
