【物流】新国際鉄道「ASEANエクスプレス」が域内物流コストを30%削減
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ASEAN域内の物流を一変させる可能性を持つ新しい国際鉄道「ASEANエクスプレス」が注目を集めている。タイ国鉄のウィリス総裁はマレーシアでの会合で、タイとマレーシアを結ぶ新線の進展状況を説明した。
この鉄道は中国からラオスを経由しタイに入り、さらにマレーシアまで貨物を運ぶものであり、供給網の効率化が期待される。また、バンコクとマレーシア・バターワース駅を結ぶ旅客便も計画されている。
鉄道はマレーシア・セランゴール州からラオスのタナレーン港を経て中国・重慶までを結び、輸送日数は14日未満と海上輸送の約3週間より大幅に短縮される。物流コストも最大30%削減できると試算されている。
6月と7月には試験運行が実施され、農産物や電子部品を輸送。マレーシア産ドリアンも年内に中国へ出荷する計画があり、農産物輸出にも追い風となりそうだ。
タイとマレーシアはいずれも線路幅が1メートルで統一されているため、積み替え作業が不要、国際貨物輸送に優位性を持つ。一方、ラオスでは標準軌を採用しているため、同国の積み替え時間が課題となっている。
環境面でもトラック輸送に比べ30%安価で持続可能性が高いと評価されており、ASEAN全体の競争力を底上げする物流インフラになると期待される。
