【政治】国境地帯でカンボジア軍が意図的に挑発行為 タイ軍が強く非難
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タイ陸軍第2管区はこのほど、カンボジア軍が国境地帯にカメラを設置し、挑発行為を行っていると強く批判した。タイ側の説明によれば、カンボジア軍は挑発に対するタイ軍の反応を撮影し、それを停戦合意違反の証拠として国際社会に訴えようとする意図があるという。
両国の国境地域では、プレアビヒア寺院周辺をめぐる領有権争いが長年続いてきた。特に2008年の世界遺産登録以降、双方の軍が度々衝突し、死傷者を出す事態も発生している。ASEANは仲裁役を務めてきたが、根本的な解決には至っていない。
今回の挑発行為について、現地メディアは「停戦合意に基づく信頼醸成措置を損なう可能性がある」と警鐘を鳴らす。外交筋によれば、国境沿いの経済活動や観光産業にも悪影響を及ぼす懸念があり、地元住民の生活の安定が脅かされるとの声も出ている。
国境貿易はタイ・カンボジア両国にとって重要であり、2024年の二国間貿易額は100億ドルを超える。軍事的緊張の高まりは物流や投資にも影響を及ぼしかねず、地域経済への波及効果は無視できない。タイ政府は今後、外交ルートを通じて解決を図る姿勢を示している。
