【政治】国連総会でタイ外相がカンボジアの軍事的挑発行為を強く非難
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ニューヨークの国連本部で開催中の第80回国連総会において、タイのシーハサク外相はカンボジアとの国境紛争をめぐり強い姿勢を示した。同外相は、カンボジアが虚偽の主張を繰り返し、挑発行為を続けて停戦合意に違反しつつ被害者を装っていると非難した。
これは、カンボジアのプラク・ソホン副首相兼外相が「国境地帯で長年生活してきた民間人がタイ軍に追い立てられた」と国連で訴えたことに対する反論。両国の間では国境線をめぐる争いが断続的に続いており、プレアビヒア寺院周辺を中心に軍事的緊張が高まる場面も少なくない。
国境問題は両国の外交関係に影響を与えるだけでなく、国境貿易や観光業にも直結。タイ商務省によると、2024年のタイとカンボジアの国境貿易総額は約4200億バーツに達しており、地域住民の生活基盤を支える重要な経済活動となっている。
ASEANはこれまで調停を試みてきたが、実効的な解決には至っていない。シーハサク外相は「地域の平和と安定のために国際社会の理解と協力を求める」と訴え、国際舞台で支持を取り付ける姿勢を鮮明にした。
タイ政府は今後も外交ルートを重視しつつ、国連を含む多国間の枠組みを活用してカンボジアとの対立解消を目指す方針だ。
