【商業】ブラックピンク公演で客室稼働率急上昇 外国人需要が押し上げる観光効果
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バンコクで開催される韓国ガールズグループ「ブラックピンク」の公演を前に、ラジャマンガラ競技場周辺のホテルが満室に近い状態となっている。タイ国政府観光庁(TAT)によれば、音楽イベントを目的に渡航する「ギグトリッピング」需要が拡大しており、参加者の最大40%が外国人に達することもあるという。
アレクサンダーホテル(客室300室)の総支配人は「10月24~26日のワールドツアー公演期間中、すでに稼働率は90%に達した」と話す。競技場近隣のホテルはイベント開催時に高料金でも需要が落ちず、平常時を上回る収益を確保できる。宿泊客は中国、日本、韓国からの来訪者が多く、同ホテルでは競技場までの無料シャトルバスを提供する。
一方、バンコク都心のホテルは中国人旅行者の回復が鈍く、割引販売を続けざるを得ない状況だ。
音楽観光の新潮流
タイ国政府観光庁のパタラノン副総裁は「コンサートやファンミーティングは国際観光を促進し、タイのブランド価値を高める」と指摘する。大規模イベントは年数回だが、アーティストのファン交流イベントは小規模でも頻度が多く、経済効果を積み重ねる。直近の韓国俳優チュ・ヨンウのバンコク公演では観客の15%が海外からの来訪者だった。
アジア開発銀行(ADB)は観光収入の多様化を成長戦略に位置づけており、ライブイベント市場はその柱の一つとされる。観光スポーツ省の統計によると、2024年の国際観光客の消費額のうち約8%がエンターテインメント関連であり、今後も拡大が見込まれるという。
