【貿易】タイ商務省が輸出新市場を開拓 成約額30億バーツ超で目標額の倍に
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タイ商務省国際貿易振興局(DITP)は、米国の関税措置で影響を受けた国内企業を支援するため、特別タスクフォース(STF)プロジェクトを通じて新規輸出市場の開拓を進め、30億バーツ超の成約を実現したと発表した。スナンタ局長によれば、当初目標は16億バーツであったが、最終的にほぼ倍増の成果を上げた。
プロジェクトはタイ商工会議所、タイ工業連盟(FTI)、タイ輸出業者協会などと連携し、4地域における潜在市場を特定。5回にわたり貿易使節団を派遣し、合計179社のビジネス交渉を支援した。地域別の成果は以下の通り。
- ラテンアメリカ(アルゼンチン、チリ、ブラジル):自動車部品、機械、建材、食品などで5億9500万バーツ
- 中東(アラブ首長国連邦):フューチャーフード、ペットフードなどで2億700万バーツ
- アフリカ(マリ、セネガル、コートジボワール):農業機械、食品加工機械で7億9700万バーツ
- インド(家具、食器、建材、大型案件):13億3000万バーツ
- インド追加ミッション(食品関連):1億バーツ
特にラテンアメリカ市場での反応が好調で、アルゼンチンやチリから強い引き合いがあった。今後はコロンビア、ペルー、エクアドルなどにも市場拡大を検討しているという。
STF事業の総予算は3300万バーツ。輸出関連分野の雇用維持や物流・包装業界への波及効果も確認される。DITPは第4四半期にさらに中国西部、ベトナム、インド・ムンバイで新市場を開拓し、追加で1億9000万バーツ規模の成約を目指す。
タイはGDPの6割近くを輸出に依存しており、市場多角化は持続的成長に不可欠。今回の成果は、対米依存からのリスク分散を示すものであり、日系企業にとっても調達・販売先拡大の参考となりそうだ。
