【物流】即日配送競争がタイ物流業界の主戦場に Eコマース市場は年15%成長
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タイの物流業界で即日配送が新たな競争軸となっている。KEX Expressはバンコクおよび近郊5県で即日配送を開始し、食品や書類、電子機器などの緊急需要に対応する。J&T Expressも「J&T Super」を展開し、期限内配達保証と返金制度を導入。LazadaやShopeeも優先配送や当日配送を提供している。TikTokも10月1日から正午までの注文は当日発送を義務づけ、守れない場合はペナルティを科す。Shopeeはさらに、フード配達員を活用した4時間以内の即配サービスを開始し、差別化を狙う。
一方、タイ物流技術協会は「大手プラットフォームが自社配送網を強制することは不公平だ」と懸念を示し、公正取引委員会や電子取引開発庁に規制強化を要請。輸送事業者選択の自由や料金規制を導入すべきだと提言する。
NESDCはEコマース市場が年率15%成長すると予測しており、迅速かつ柔軟な配送は競争力の源泉と分析。タイ中央銀行の報告でも物流・輸送部門のGDP寄与は全体の9%に達しており、即日配送の普及はタイ経済全体に波及効果をもたらすと見込まれている。
