【環境】タイ政府、年間1000万トン超のCO2削減目指す 投資額7千億バーツ
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タイのエネルギー省が新政策「クイック・ビッグ・ウィン」を発表した。これは、総額7000億バーツ規模の投資を通じ、1万6000人以上の雇用創出と年間1000万トン超の二酸化炭素削減を目指すものだ。
発表によれば、地域社会型ソーラー発電、農業用ソーラーポンプ、家庭向けソーラー税控除制度、水力ダムでの浮体式太陽光発電などが柱となる。これにより合計数千メガワット規模の発電能力を確保し、電力価格抑制と温室効果ガス削減を両立させる方針という。
同政策では、企業が再生可能エネルギーを直接購入できる「ダイレクトPPA」制度を推し進める。2025年11月までに2000メガワットを目標として、65億バーツの投資を呼び込む計画だ。さらに、東部経済回廊(EEC)に進出するデータセンター16施設向けに800メガワット超の電力供給体制を整備する。
エネルギー効率改善も重点分野であり、省エネ機器の導入を支援。さらに2034年からは二酸化炭素の回収・貯留(CCS)事業を開始し、年間640万トンを30年間にわたり処理する計画だ。
オッタポン大臣は「エネルギー政策は安全保障、経済、持続性の3要素をバランスさせる必要がある」と強調。調理用ガス価格の凍結や燃油価格の引き下げに続き、今後は電力料金の引き下げも検討課題に挙げた。
国際エネルギー機関(IEA)も、タイが2050年のネットゼロ達成に向けて再エネ比率を高める必要性を指摘しており、今回の政策はその一環と位置づけられる。
