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【社会】国際詐欺組織の拡大抑止へ タイが関係国首脳会議を提案

国境をまたぐ詐欺が東南アジア全体の治安と経済に深刻な影響を及ぼす中、アヌティン首相は10月、国際詐欺対策に向けた関係国首脳会議の開催をタイが提案したことを明らかにした。オンライン投資詐欺、SNS勧誘型の労働搾取、暗号資産詐欺など、被害の広がりは急速で、各国政府の連携強化が急務となっている。

タイ警察庁によれば、2024年の詐欺・サイバー犯罪被害は急増しており、上半期だけで数十万件の被害届が提出された。タイ政府は金融機関に対し疑わしい取引の即時凍結を義務付ける法改正を進めるほか、デジタル経済社会省(MDES)は国民向けにフィッシング防止アプリの導入を推進している。

国際機関も連携の重要性を指摘する。国連薬物犯罪事務所(UNODC)は報告書で、メコン地域における詐欺拠点の摘発強化を求めている。特にカジノ併設の経済特区では、外国人を監禁し犯行に従事させる人身取引が問題化しており、地域の安全保障にも関わる課題とされている。

首相は「各国が単独で対処するだけでは追いつかない」と述べ、早期の国際協力枠組み確立が不可欠と強調。タイが主導する形で協議が進むかが焦点となる。

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