期間限定バンコク週報無料購読キャンペーン実施中

【流通】タイ首相、ランドブリッジ構想を韓国で発表 OECD加盟も30年目標に

タイのアヌティン首相は10月31日、韓国慶州で開かれたAPEC企業諮問委員会(ABAC)で演説し、インド洋と太平洋を陸路で結ぶ「ランドブリッジ構想」を正式に発表した。併せて、2030年までに経済協力開発機構(OECD)加盟を目指す方針も表明した。

ランドブリッジ構想は、タイ南部に物流回廊を整備し、アジアの東西貿易を結ぶ新たな供給網を構築するだ。アヌティン首相は「タイはアジアの中心に位置し、南アジア・東アジア・ASEANを結ぶ架け橋となる」と述べ、地域間連結性の強化を最優先課題とした。政府はすでに海港と高速道路を結ぶ大規模インフラ投資計画を策定しており、BOIによる特別経済区指定も検討中である。

同首相はまた、「クイックウィンズ」政策の下、電気自動車(EV)、半導体、バイオテクノロジー、人工知能(AI)など次世代産業への投資促進を掲げる。女性起業家やスタートアップへの資金支援も拡充し、包摂的な経済成長を実現する考えを示した。

さらに、環境・社会・ガバナンス(ESG)投資を中核に据え、クリーンエネルギーや高付加価値石油化学、先端産業への税優遇措置を進める方針だ。アヌティン首相は「政府が方向性を示すが、変革を実行するのは民間セクターだ」と強調した。

OECD加盟については、ガバナンス向上や透明性強化を通じて、国際的な信頼を高める狙いがある。加盟すれば、ASEAN域内で初の正式メンバーとなる見通しだ。 同首相はまた、地政学的緊張が高まる中で、APEC各国に「保護主義に陥らず、ルールに基づく自由貿易体制を維持すること」を呼び掛けた。

この記事がお役に立ちましたら
フォローをお願いします

シェアしていただければ幸いです
目次