【社会】バンコク都市鉄道に40バーツ均一運賃 高速道路も50バーツ上限案
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ピパット副首相兼運輸相は、新たな生活支援策として、首都圏全ての都市鉄道を対象に「1日40バーツ均一運賃」を導入する方針を明らかにした。対象は国営管理のレッドラインとパープルラインで、2025年12月1日から1年間実施する予定。11月18日の閣議で承認を求める。
運輸省によれば、全路線の統一運賃を実現するため、都市鉄道公団(MRTA)が「単一運営体制(Single Ownership)」を検討中。民間事業者からの買収・補償を含む財務的影響を11月6日までに報告し、25日に閣議提出の予定だ。政府は現政権任期中の実現を目指す。
ピパット氏はまた、高速道路料金についても「1回50バーツ上限」を検討中であり、年末の「国民への贈り物」として導入したいと述べた。タイ高速道路公社(EXAT)には制度設計を指示済みで、物流コスト抑制と市民生活支援を両立させる狙い。
MRTAは並行して、鉄道運賃補助金制度の財源確保策を検討しており、財務省と調整。交通政策調整委員会は、統一運賃の導入が年間通勤費を平均15~20%削減し、バンコク圏の公共交通利用者を約10%増やす効果があると試算する。
交通専門家は「低所得層の移動支援だけでなく、排出ガス削減や渋滞緩和にも資する政策」として評価。バンコク都はこれに合わせ、PM2.5対策の一環としてバス路線再編も進めている。
